Googleの生成AI「Gemini 1.5 Pro」を使ったサービス「notebookLM」がすごいらしいので試してみた
GoogleがOpenAIのGPT 4に対抗して「Gemini 1.5 Pro」という生成AIを作っているということは知ってましたが、これの使いどころを知りませんでした。
が、最近、このGemini 1.5 Proを使った「notebookLM」というサービスがあることを知ったので、早速使ってみました。
NotebookLM | Note Taking & Research Assistant Powered by AI
上のサイトで「Try notebookLM」をクリックします。
Google ChromeでGoogleアカウントにログイン済みならば、いきなり入れるはずです。
さて、このnotebookLMですが、OpenAIのChatGPTの最新版(GPT-4o)と比較して、いくつかメリットがあります。
・ 扱えるコーパス量が多い
・ 日本語の精度についてはGPT-4o以上
これはGoogleのひとから聞いたのですが、コーパスがChatGPTに比べてかなり多いとのことです。
コーパスが多いというのは、つまり大量の文章を処理できるということ。RAGでも使わない限り、通常のGPTならば数千文字程度しか一度に読み込んでくれないので、これは大きい。
地味に日本語読解力が強いというのもありがたいことです。
さらに、期間限定ですが、
・ 今なら無料で試せる
というところが一番大きいかと。
ということで、「大規模言語モデル「ELYZA-7b」と自作小説「計算士と空中戦艦」で「RAG」をしてみた: EeePCの軌跡」の際に使用したテキストファイルを使って、いろいろとやらせてみました。
Try notebookLMをクリックすると、以下のような画面が出てきます。
まずは、
の第1部 全19話、約11万文字のテキストを一つにまとめておきます。
この前準備をした後に、「新しいノートブック」をクリック。
こんなのが出てきます。
で、今回はテキストファイルなので、「テキストファイル」を選択して、先ほど準備したテキストファイルを選びます。
しばらく読み込んだ後に、概要や質問の候補などが表示されます。
この時点で、驚くほど正確に内容把握していることが分かります。
これは期待大。
ということで、先日のRAG以上の質問を投げかけてみました。
Q:この物語の概要を教えてください。
上にも概要が出てますが、改めて聞いてみました。すると、
物語のあらすじ
この物語は、イーサルミ王国とオレンブルク連合皇国の戦争を描いています。
●主人公: ユリシーナ・カルヒネン曹長は、イーサルミ王国空軍所属の砲術計算士です。3年前にオレンブルク連合皇国の空襲で家族を失い、復讐のため計算士の道を選びました。
●イーサルミ王国: ヘリウム採掘場を独占する資源の豊かな国。オレンブルク連合皇国からの独立を宣言後、3年間戦争が続いています。
●オレンブルク連合皇国: 資源の乏しい国で、イーサルミ王国を属国としようと侵攻を続けています。ヘリウム不足のため、危険な水素を空中戦艦に使用しています。
●空中戦艦: 物語の舞台となる空中戦艦は、ヘリウムガスで浮遊し、大砲や爆弾を用いて戦います。主人公は「ヴェテヒネ」、「サウッコ」という名の空中戦艦に搭乗します。
●戦闘: 主人公は、卓越した計算能力で敵艦を撃沈し、イーサルミ王国空軍の勝利に貢献します。その功績により、異例の金三等勲章を授与されます。
●計算機: ラハナスト先生という計算工学の権威が、画期的な電子手順計算機を開発します。この発明は、将来、戦争のあり方を変える可能性を秘めています。
●戦争の終結: 物語終盤で両国の和平交渉が始まりますが、ヘリウムの供給を巡る対立などから、交渉は難航が予想されます。
主人公は、戦争の悲惨さを目の当たりにしながらも、計算士としての職務を全うし、祖国の勝利のために戦い続けます。物語は、戦争の終結を予感させつつも、新たな戦いの始まりを予感させながら幕を閉じます。
予想以上に、詳細なあらすじが返ってきました。
書いた本人なので分かりますが、かなり正確ですね、これ。
となれば、こんな質問もしたくなります。
Q:この物語の続きとして、どのような展開が考えられますか?
物語の続きを考えさせてみました。
で、返ってきたのは以下の答え。
物語の今後の展開の可能性
今回の物語の続きとして考えられる展開は、新たに発生したオレンブルク軍の動きと、主人公たちの動向、そして戦争の終結に関する点に集約されます。
●新たな敵の出現: 主人公たちが所属するイーサルミ王国空軍は、偵察艦撃沈後、オレンブルク軍の動きがないことに不気味さを感じています。
これは、嵐の前の静けさであり、オレンブルク軍が何か大きな作戦を企てている可能性を示唆しています。
具体的な展開としては、これまで登場していない新型の空中戦艦や、新たな戦術を引っ提げての攻撃などが考えられます。
主人公たちのこれまでの活躍により、オレンブルク軍も戦術の見直しを迫られている可能性があります。
●主人公たちの次の戦い: 主人公であるカルヒネン曹長は、新しい計算尺を入手し、それを試す機会を待ち望んでいます。
次の戦いでは、この新しい計算尺を用いて、これまで以上の精度で敵艦を攻撃することが予想されます。
また、物語終盤でエクロース准将が、人命を損耗しない兵器として、計算機に爆弾を積んで突撃させる構想を語っています。
この発言は、今後の戦争の行く末を示唆しており、主人公たちの前に、計算機を兵器として利用しようとする新たな敵が立ちはだかる可能性も考えられます。
●戦争の終結: イーサルミ王国とオレンブルク連合皇国の間で和平交渉が始まったことが語られています。
しかし、両国の主張は大きく異なっており、交渉が決裂する可能性も高いです。
特に、ヘリウムの供給を巡って対立が深まる可能性が示唆されています。
もし交渉が決裂した場合、戦争はさらに激化し、主人公たちもより危険な戦いに巻き込まれることが予想されます。
主人公たちの活躍が、和平交渉の行方にも影響を与える可能性も考えられます。
これらの要素を組み合わせることで、様々な展開が考えられます。例えば、和平交渉が続く中で、新たな敵が現れ、主人公たちがその戦いに巻き込まれるという展開や、和平交渉が決裂し、全面戦争に突入する中で、主人公たちが重要な役割を果たすという展開などが考えられます。
実は第2部(全16話)がすでに書き上げられてますが、特に1つ目、3つ目については確かに第2部の中で描かれてます。
なかなか賢いですね、これ。
では、さらに突っ込んだ質問を。
Q:現実世界での第一次世界大戦を参考に、この物語を広げるとしたならば、どのような展開が考えられますか?
創作と現実世界を掛け合わせた回答を求めてみました。さあ、どう答える!?
現実世界での第一次世界大戦を参考に、物語をどのように広げられるかについて、ソースからは断定的な情報は得られません。
しかし、いくつかの手がかりはソースから見つかります。
●新兵器の登場: 現実の第一次世界大戦では、戦車や毒ガスなど、それまでの戦争の常識を覆す新兵器が登場しました。
ソースでは、電子手順計算機という画期的な計算機が登場します。
これは、現実世界のコンピュータの原型ともいえる発明であり、戦争のあり方を大きく変える可能性を秘めています。
今後、この電子手順計算機が兵器に応用され、新たな戦術や戦略が生まれる展開が考えられます。
●情報戦の激化: ソースでは、敵の偵察艦の動きが活発化し、主人公たちが所属するイーサルミ王国空軍も、偵察艦の撃沈に成功しています。
現実世界の第一次世界大戦でも、航空機による偵察や、無線通信の傍受など、情報収集の重要性が高まりました。
この物語においても、電子手順計算機を駆使した暗号解読や、敵の行動予測など、情報戦が激化する展開が考えられます。
●多国籍軍の編成: ソースでは、イーサルミ王国はフロマージュ共和国から空中戦艦の技術供与を受けています。
現実世界の第一次世界大戦でも、複数の国が同盟を組んで戦いました。この物語においても、フロマージュ共和国が軍事介入したり、新たな国が参戦したりする可能性があります。
●戦線の膠着: 現実世界の第一次世界大戦では、塹壕戦と呼ばれる長期にわたる戦線膠着状態が生じました。
ソースでも、イーサルミ王国とオレンブルク連合皇国の戦争は3年間続いており、キヴィネンマー要塞周辺などでは塹壕戦が行われています。
今後、物語の中でも、戦線が膠着し、長期戦に突入する展開が考えられます。
●厭戦気分の高まり: 現実世界の第一次世界大戦では、長期化する戦争によって、国民の間で厭戦気分が高まりました。
ソースでは、主人公の同僚であるマリッタが「さっさと終わらせてほしい」と戦争に対する本音を漏らしています。
今後、物語の中でも、戦争の長期化によって、兵士や国民の間で厭戦気分が高まり、和平を求める声が大きくなる可能性があります。
これらの要素を組み合わせることで、現実世界の第一次世界大戦を参考に、物語をより複雑化・多層化することが可能になると思われます。ただし、これらの展開はあくまでも可能性であり、実際に物語がどのように展開するかは、作者の判断によります。
なかなかどうして、現実知識を上手く取り混ぜながら、物語の世界観を継承しつつ今後の展開予測を描いています。
では、もうちょっと細かい質問も投げてみます。
Q:電子手順計算機の発明は、戦争にどのような影響を与える可能性がありますか?
この物語では、かなり初期の電子計算機が登場します。これの与える影響についても聞いてみました。
で、回答ですが、
提供された情報源では、電子手順計算機の発明が戦争にどのような影響を与える可能性があるかについては明確に述べられていません。
しかし、これらの情報源は、計算尺や計算工学の重要性、そしてそれが戦争においてどのように利用されているかについて詳しく説明しています。
例えば、計算士は計算尺を用いて敵の進路予測や弾道計算を行い、戦争の勝敗に大きく貢献しています。 また、電子手順計算機は従来の計算尺よりも高速かつ正確に計算を行うことができ、将来的には人間の役割を担う可能性も秘めていることが示唆されています。
こちらも、現実世界と合わせた答えを出してきました。
まあ、ひと言で言って「凄い」ですね。
当然と言えば当然ですが、オープンモデルの7b(70億パラメータ)モデルなんて、歯が立ちません。
やっぱり、大規模も大規模な言語モデルだけあって、強烈です。
ちなみに、まだGPT-4oは触ったことはないですが、あちらもきっと強烈なんでしょうね。
ですが、こちらは無料でここまで使えてしまうという点で、圧倒的です。
いずれは有料サービスに切り替わるはずですが、今はまだ無料。
最新の生成AIに触れてみたいという方は、ぜひこの機会にお試しあれ。
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