スパコンの「京」が運用終了
8月16日をもって、停止しました。
「2位はダメ」とトップ争い、「京」運用終了へ : テクノロジー : 読売新聞オンライン
こういっては何ですが、ちょっと悪意を感じますね、このタイトル。
ちゃんと実績は残してます。せめて「科学・工学の発展に貢献した「京」運用終了へ」と書くべきでは!?
【追記】
リンク先、タイトルが「スパコン「京」さらば…跡地には性能100倍「富岳」設置」に変更されてました。
ちなみに、こういう事例があります。
公開されているのは氷山の一角で、実際にはいろいろな実績を残してます。私も、あまり公開されていないネタの実績を一つ知っています。
以前にも書いたことがありますが、TOP500の上位にいるスパコンは、ほぼ9割以上はGPUなどの支援プロセッサを使って増速したものばかり。
ですが、そういうハードでは動かない解析ソフトというのはたくさんあるんですよね。私が最近まで使っていた「LS-DYNA」という衝撃解析用ソフトは、まさにこれ。陽解法コードは、支援プロセッサではまだ動きません。構造解析系のソフトの多くは、TOP500の上位スパコンでは性能を発揮できないことが多いのが実態です。
ところがこの「京」は、そんなソフトが動かせる唯一の上位スパコンだったわけです。
TOP500というのは、それ自身が何か実績を生み出す指標ではなく、単なる物差しに過ぎないんですよね。いや、最近は物差しですらないといわれてますね。
TOP500で使われているLinpackというベンチマークソフトが単なる演算速度を測るアルゴリズムであるため、メモリやストレージ、ネットワークなどを酷使する実際の数値計算条件での性能を示すものではないんです。TOP500で1位 = すごいスパコン とは言えなくなってきました。
くわしい人は知っている.「Top500, Green500 の順位はもうスパコン性能の参考にならない」と順位リスト作成者が言い続けている|rings|note
だから、意外にいろいろと実績を残せているわけなんですが・・・民主党政権時代の事業仕分けのあの一言のおかげで、この元記事のタイトルのような変な印象が植え付けられてしまいましたね・・・
ところで、リンク先にも書かれている通り、「京」の跡地には約100倍の性能を持つ「富岳」が作られることになっているそうです。
この計算機も、新たな功績を挙げてくれるんでしょうか?なにせ、科学技術にケチな日本と言われてますからね。計算機技術では、何とか質を維持していただきたいものです。
以下余談ですが、ところで、事業仕分けの時に話題になったこの「京」の建造費用は、1100億円だったそうです。
で、何某N国党を躍進させるきっかけになった、あの何某放送局の新社屋が、なんと3400億円だそうです。
つまり「京」の3倍。目的が違えど、とても「京」の3倍の働きをしてくれるとは思えないなぁ・・・
こういうやつこそ、事業仕分けするべきじゃないんでしょうかね?しかも、我々の受信料ですよ!?同額でももったいないと思いますよね。どうなってるんでしょう!?
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