AIプロジェクトを突然やれと言われたら・・・
私にとっては、こういうトップダウンはありがたいんですけど、技術や準備の整っていない状態では、戸惑う人は多いのが現状です。
何事もそうですが、期待しなさすぎ、し過ぎ、どちらもダメ。「過ぎたるは及ばざるが如し」と言いますし。
かの徳川家康は「及ばざるは過ぎたるに勝れり」と言いましたが、AIに過ぎた期待をするトップがいた場合、どういう心構えをするべきでしょうか?
「AIプロジェクトを担当してくれ」突然の上司のむちゃぶり あなたが最初にやるべきことは? (1/5) - ITmedia NEWS
こういう記事がありました。
まさにAIプロジェクトをやってくれ、と突然言い渡されたら、何をするべきかを説いています。
まず、当然のことですが、AIでできることとできないことがあります。
いわゆるディープラーニングによる画像認識は、人の目でしか判別できなかったものを識別可能にする技術として注目されています。しかし、逆に言えば人の目でも間違えるようなものは、やっぱり間違えてしまう可能性があります。
ついついIT技術に100%を求めてしまうんですよね。気持ちはわかりますが、人間ですら100%でないものをAIだからといって100%求めるのは・・・そういう事実を知ると、突然幻滅してしまう人が現れます。
でも、人の目の検査で1万個に10個の誤品を出していた工程で、ディープラーニングを用いたAIでそれを5個にしたならば、それだけでも大いに成果があると思います。もちろん、0が言いに越したことはないのですが、単に精度を上げただけでなく、検査を人から解放することができただけでも十分かと思います。
最近は、意図的ともいうべき不正が増えてます。私は、人に検査を依存していることの裏返しだと感じてます。
複数の別々の人が検査をすればこういう事態を防ぐことができると思うのですが、おそらく検査の人を減らす、納期を早める、コストを減らす、などの要因が背景にはあったのではないかと勘繰ってます。
そんな状況になれば、不正をする気がない人でもそうならざるを得ず、一度通ってしまった不正は前例となり、その後常態化する・・・
なんとなくですが、私は一連の不正検査ニュースを聞くたびに、「検査のワンオペ」があったんじゃないかと感じてます。
もし人と同時に機械によるクロスチェックをさせていたら、昨今騒がせている不正検査の多くが防止できたかもしれません。
たとえ80%程度の精度しかないAIだったとしても、クロスチェック用ならば十分に威力を発揮します。
そういう用途もAIにはあるのだと感じていただければ、100%でなくても使えるAIが作れると思いますね。
かなり話が脱線しましたが、このリンク先にも書かれている通り、AIには3段階の活用方法があるといわれています。
まず、最初に行われるのは「作業の効率化・人の代替化」。まあ、これはよくあるAIの活用方法ですね。今はこれが中心だと思います。
次の段階では「従来価値の高度化」。早い話が、人を超えた精度や技量を持つ特化型AIの登場です。
そして最後には「新しい価値の発見・創造」。アルファ碁が3千年以上かけて人々が築いてきた囲碁のパターンをひっくり返すような手を生み出し、それが囲碁界に新たな知見を与えたように、これまで想像もできなかった手段や事実の発見につながるのではないか?
日本のどこかの研究所が、まさにAIを使ってノーベル賞級の発見をしようと取り組んでますね。
最後の段階はとても到達困難な領域ですが、最初の自動化、効率化ができなければ、最終形態には到底たどり着けません。
だから、まずは今できることを取り組み、徐々にレベルを上げていくというのがこの技術に取り組む前提ではないかと思っています。
でも、なかなか理解が進まないですね。AIが作り上げる未来は、多くの人が抱いているのは概ね仕事がなくなるというものが多いです。あるいは、鉄腕アトムのような汎用AIの登場を夢見ているかのどちらかです。
ですけど、今の世の中にあるのはある特定のことができる特化型AIであって、やれることは限られている。でも、その限られた活用術が、大いに会社に人々に貢献できる。そういうものだと思ってます。
今は、手を動かして実例を挙げていくしかないですね。一日も理解を得られるだけの何かを作り上げて、その成果でAIをドリブンしていく。個人的には、それしかないと感じてます。
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