今年に入ってからというもの、ディープラーニングだのAIだのというものに入れ込んでおります。
で、東京ビッグサイトではまさにこのAI関連の技術展示・商談会が行われている真っ最中(6/28~30)。私も早速行ってきました。
よく考えたら、東京ビッグサイトに入るのは初めてです。近くなら一度来たことはあるんですけどね。
ありました、AI・人工知能EXPOの会場。
私は10時からのセミナーに参加してから展示会場を回る予定だったんですが、ちょっとややこしいことがありまして。
セミナーの会場はビッグサイト入り口付近の会議棟、一方展示会場はずーっと奥の東展示棟・東新展示棟付近。
一度展示会場に行ったら「セミナー参加の方は入り口付近まで戻ってください」などといわれ、結構な距離を往復する羽目に
なにせこんな距離を歩いて
さらにその奥がこんな感じの会場ですからねぇ。
おかげさまでこの展示会場~セミナー会場の往復だけでApple Watchのアクティビティ - ムーブのカロリー目標をクリアしちゃいました。
20分ほどうろうろしてようやくセミナー会場へ到着。
もうちょっと展示会場とセミナー会場、近くにできなかったんでしょうかね?
ちなみにこのセミナーの中身はなかなかいいものでした。わざわざ行った甲斐がありましたね。
3人の人が登壇されたんですが、それぞれ国家戦略、研究開発、企業の立場の方々で、それぞれの立場からのAI・ビッグデータの置かれた状況を説明されていました。
1番目は総務省・経済産業省・文部科学省の3省が立ち上げる「人工知能技術戦略会議」というものを主宰されている方のご講演。
参考となる資料がネット上に公開されてます。
人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ - 100862412.pdf
ディープラーニングの登場をきっかけに人工知能技術が飛躍的に発達し、ビジネスに応用されるに至り、未だ日本においては導入が進んでいないという実態を受けて、国として同支援していくのかといろいろ考えているようです。
以前ならこの手の省をまたいだ事業というのは成功したためしがないのですが、さすがにAIに関しては切羽詰まった状況だけに、それぞれの立場で普及に努めているようです。
サービス・医療・自動車など多岐にわたって活用され始めているAI。日本も技術を持っている会社は多いのですが、まず技術者が少ない、そして予算上・慣習上の障壁により企業内での導入が進んでいないという実態があるようです。
なにせ日本全体のIT関連投資額が、アメリカの人工知能関連にかけられる投資額よりも少ないという状態ですから、人的・物的にかなり不利な状況。
てことで、まずはAI導入を・・・といきたいところですが、この方が強調されいてたのは「その企業・組織が世の中に何を貢献していきたいのか?をまず考えることが最も重要」ということでした。
例えばがん患者を一人でも救いたいと考えるからこそ、がんを早期発見できる画像認識技術が発達するわけで、なにもないところからいきなりAIが発達することはあり得ないという立場でしたね。確かに、アメリカのAI関連の発達ぶりを見ると、それをよく感じます。
2番目のご講演はソニー・コンピュータサイエンス研究所の方が登壇されまして、「グランドチャレンジ」について話されてました。
グランドチャレンジとは何ぞや?実はいろいろあって、自律型ロボット同士がサッカーを競うRoboCupだったり、Amazonが行うピッキングチャレンジなど、いろいろです。
RoboCupの目標が「2050年までに完全自律ヒューマノイドのサッカーチームを開発し、FIFA World Cupのチャンピオンに勝利する」んだそうで、ほかにも人工知能で医療分野でノーベル賞級の発見をするというチャレンジ”Nobel Turing Challenge”なんてものもあります。
目標だけ聞くと荒唐無稽な話ばかりですが、目標を達成することよりもそのプロセスによって得られた技術が応用されることが大事なんだとか。
例えば先のサッカーをする自律型ロボットからは、倉庫内の荷物を自動で搬送するロボットが派生したり、Nobel Turing Challengeからは医療の実証試験の計画から分析までを自動で行うソフトが開発されたりしているんだそうです。
と書くと、どんどん人間の領域が侵される話ばかりが出てきて不安になってしまいますけど、たとえばAlphaGoがもたらしたのは、人間同士が打ち合って高めてきた囲碁の定石に、思いもよらない打ち手を見せてくれたことなんだそうで、人間にとっては新たな知見をもたらしてくれたそうです。
ということで、この方が目指しているのはAIによって人間が見えていない世界が見えてくることなんだそうです。それがノーベル賞級の発見をもたらしてくれるというチャレンジにつながってるんだそうな。
3番目のPrefferd Networks社のご講演は機械学習とは何か?や、強化学習を中心とした事例紹介をしておりました。なかなかすごい技術を見せられましたね。
そんな講演会が終わったのは11時半過ぎ。そこから展示会場にねじ込んでいったんですが。
長い長い行程をひたすら歩いてたどり着いた先にはこんな光景が!?ファ!?
どうやら”AI・人工知能EXPO”の会場の横には
”ライセンシング ジャパン”というキャラクターやブランドのライセンスに関する展示会場が並んでいたようです。
”ブシロード”、”円谷プロダクション”、”セガホールディングスサミー”・・・見たことある名前ばかりですねぇ。こっちも気になります。
が、ここは心を鬼にして、目指すべき会場の方に足を向けます。
ちなみに会場の様子ですが今までにないくらいの高密度でした。
この手の展示会は何度か参加してますけど、今日のは半端じゃなかったですね。
大抵説明員の方が声をかけてくるものですが、今回はこちらから聞き出さないと相手にしてもらえません。それくらいの盛況ぶり。話を聞きだすのも大変でした。
その中でも面白いものをいくつか紹介。
”上司に「AI導入しろ」といわれたら”という文字が目立つこのブース。
この展示会場で図星な方が多かったのか、比較的盛況でしたね。Web上で動くAIコンテンツを制作する会社のようでした。
はて?私はAI・人工知能関連の展示会に来ているはずなのになぜヴィレヴァンが!?
私にとっては福袋でおなじみのヴィレヴァン、東京 渋谷で新しいお店がオープンするんだそうですが。
なんとそのお店にこの”渋谷めぐる”というマスコットAIが導入されるんだそうです。
”風呂場で考えた もっと遊べる未来!”って、大丈夫でしょうかね?
こんな感じのAIキャラが他にも2~3ありましたね。主に店頭での接客・案内をしてくれるAIのようです。
私的に大発見だったのはこの”3次元畳み込み物体認識ソリューション”。
今までは2次元のCNN法しか知りませんでしたが、3次元を取り組んでるところもあることが判明!これはうちの業界にとって明るい話題です。
このブースでは、こんなハードも動いてました。意外とハードが少なかったんですよね、この展示会。
そんな少ないハードの展示でも目立ったのはこのELSAのブース。
さすがはグラフィックボードのメーカーだけあって、ディープラーニング用GPU機器を売り込んでました。
GPUボードがスロットすべてにぎっしり埋め込まれている筐体もあり、ハード屋としてはびんびん響く展示物ばかり。
他にも”さくらインターネット”がこんなハードを展示。
ハードの販売ではなく、GPUクラウドの宣伝用として持ち込んだハードウェアでした。その名も”高火力コンピューティング”。熱そうです。
こちらは「人工知能 98,000円」というなんだかわかりやすいようなわかりにくいようなキャッチコピーのブース。
98,000円で作ってくれるそうです。人工知能。先着20社限定。
あまり変なキャッチコピーで釣ると「じゃあAIでこんなのをちょいちょいっとやってくれ!」みたいな変なオヤジが現れるかもしれないので、危ないですよぉ。
ちなみに同じ会場ではいくつものカテゴリーの展示会が併設されてまして。
こっちには”Nikon”がいました。
さすがに目的外なので、パンフ等をもらうのはやめておきましたが。
AI・人工知能EXPOから外れると、担当者が声をかけてくるいつもの展示会風景になりますね。
目的外といえば、こんなところにも首を突っ込んだんですけどね。
先の「ライセンシング ジャパン」展会場にある、セガホールディングスサミーのブースです。
こんなモビルスーツらしきものがお出迎え。気合十分!でも分野が分野だけに、手当たり次第に資料を配布するということはやってませんでしたね。
さらに奥には円谷プロが!
そのさらに奥にはブシロードが!!
いかんいかん・・・引き込まれそうです。
てな感じで、散々うろうろして入手したのはこれらの資料。
とにかく人に阻まれて、名刺交換できたところも思いの外少な目。
関連企業に対して、潜在需要を持っているユーザーが多すぎるんでしょうね。そんな印象でした。
そういえば、こんな資料もありましたねぇ・・・
いや、技術自体はいいんですが、ちょうどこの日はこの会社の株主総会があってすさまじい批判にさらされていたというニュースがちらほら。大丈夫ですかね?
そういえばこの会場、マスゴ・・・マスコミの姿をよく見かけました。
分かっただけでもN○K、テ○朝、ほかにも不明2ほど。
会場や来客者にインタビューしてました。
でもいいんですかねぇ?浮かれて報道している場合じゃないんじゃないかと。
マスコミさんにとってはいつかは脅威となる技術ですよ?人工知能は。
間違いなくいつかはAIが自動で世の中の動きというビッグデータを処理して導き出してくれる客観的なニュースが出されるようになるはずですから、それが登場したときにはややある方面に重心が向きすぎている報道の数々の実態が浮き彫りになりかねませんからね。その脅威はインターネットの比ではありません。
総論ですが、AIの技術の発展具合、広がり具合が進んでいるのがわかりましたが。
それ以上に導入したいユーザーの数が多すぎて供給が追い付いていないという実態も目の当たりにしました。
なんとか増やさないとだめですね、技術者。でも日本にはまさに今の東○やシ○ープのように、技術とお客様目線をなくした会社が多い中、活かすことができるんでしょうかね?なんとなく、そう思います。
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