Windows 10のBash on WindowsでTensorFlow動かしてみた
最近プログラムといえばRaspberry Piな私ですが、Windows 10のAnniversary UpdateでBash on Windowsが使えるようになったんですよね。
これを使えば、Linux環境(正確にはUbuntu環境)を入手できるというわけ。早速入れてみました。
・・・とその前に、私のWindowsはまだAnniversary Updateできてませんでした。
以下のサイトを参考に、手動アップデートを実施。
Windows 10 Anniversary Update を手動アップデートしてみました - 道すがら講堂
まずスタートメニューの「設定」-「更新とセキュリティ」-「Windows Update」の「詳細情報」をクリック。
「 Windows 10 の更新履歴」というMicrosoftのページが立ち上がるので、中ほどにある「Anniversary Updateを入手する」というのをクリック。
「Windows10Upgrade28084.exe」というのが入手できるので、これを実行。
あとはひたすらぼーっと待ちます。
アップデート完了したら、早速Bashを・・・っていきなりは使えません。
まずスタートメニューの「設定」-「更新とセキュリティ」にある「開発者向け」の中の「開発者モード」のところを選択。
次に、スタートメニューを右クリックして「コントロールパネル」を開き、「プログラム」-「プログラムと機能」の「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリック。
「Windows Subsystem for Linux(Beta)」というのがあるので、これをチェック。
再起動を求められます。
再起動後、スタートメニューの「Windows PowerShell」からWindows PowerShellを開きます。
そこで「bash」と入力。
なにやらダウンロードがはじまります。Bashを入れてるようですね。
その後、ユーザー名とパスワードも入れます。
2回目からはすぐに起動するので、最初だけ我慢。
これでやっとBash on Windowsが使えるようになりました。
この状態だと、Cドライブのユーザーの、今ログイン中のユーザーフォルダがカレントディレクトリになっているため、別の作業フォルダを作って移動しておいた方が無難です。
私はC:\linuxというのを作って、そこを作業ディレクトリとしました。
このbash上で以下のように移動。
cd /mnt/c/linux
(あらかじめWindows上でCドライブに”linux”というフォルダを作っておきます)
ちなみに、Linux特有のディレクトリ構成(/home/(ユーザー名)のようなディレクトリ)も構成されてます。
cd ~ (あるいは cd)
で移動するホームディレクトリは、Windows上では”C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\lxss\rootfs”というフォルダとしてアクセスすることができます。
さて、ようやく本題です。
Bash on Windowsに”TensorFlow”を入れます。
こちらのサイトを参照。
まずapt-getで以下のものをインストール。
sudo apt-get install git python-pip python-dev
Windowsでapt-getが使えるようになったんですよねぇ。
最初に”sudo”を実行するときだけパスワードを聞かれます。
続いて、TensorFlowをインストール。
sudo pip install --upgrade https://storage.googleapis.com/tensorflow/linux/cpu/tensorflow-0.7.1-cp27-none-linux_x86_64.whl
「人工知能ライブラリ”TensorFlow”をRaspberry Pi 3に入れていろいろなものを画像認識させてみた: EeePCの軌跡」で使った「classify_image.py」を入手するため、次のコマンドも実行。
git clone https://github.com/tensorflow/tensorflow.git
ここから「classify_image.py」をカレントディレクトリにコピー
cp /mnt/c/linux/tensorflow/tensorflow/models/image/imagenet/classify_image.py /mnt/c/linux
ここで
python classify_image.py
と実行。
いきなり実行して大丈夫か・・・と思いましたが、動きます。
先回の記事同様、最初は「inception-2015-12-05.tgz」をダウンロードします。しばし待ちます。
パンダの写真を認識したようなメッセージが出れば成功。
続いて、別の画像を認識させてみます。
あらかじめC:\linuxにいろいろ画像データを入れておきます。
python classify_image.py --image_file (ファイル名)
前回使った画像ファイルをそのまま実行。
同じような認識率でした。
思ったより簡単でしたね。
まだまだベータ版のようで、日本語表示はいまいちながら、結構使えます、Bash on Windows。
Raspberry Piでは能力が足りないとき、メインPCを使って処理できますね。ありがたいことです。
Microsoft Windows 10 Home Anniversary Update適用済 (32bit/64bit 日本語版 (新価格版) |オンラインコード版 |
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そういえば Canonicalから公式にソースを頂戴できるようになったんでしたね
かつて、ローエンドPC市場をLinux陣営に奪われるのを恐れたMicrosoftが、サポート費用が嵩むことを嫌いながらも渋々XPをタダ同然で提供したのが、ネットブックが(ほんの一時的にせよ)ブームになる切っ掛けだったことを思い出すと、遠い目にならざるを得ません
なんだかんだ言っても、Windows環境は開発には最強であって、一方開発したいソフトはARM向けという矛盾に対するMicrosoftの回答の一つでもあり、IntelがARM製品の製造を行うという発表も含め、この柔軟さにはメリケンの底力を感じます
シャープの戴新社長が堺で行った会見が、日本語だったというのも驚愕でしたし、海外の巨大企業の対応能力の高さには、いつも舌を巻かされますね
投稿: マジック143点灯(RS1にアップしてから動作が安定した気が) | 2016年8月23日 (火) 11時49分
こんにちは、マジック143点灯さん。
海外企業の柔軟さに比べて日本の経営者の硬さと言ったら・・・それがなければシャープももう少し独立企業として延命できたかもしれません。
にしても、ネットブック時代はむしろライバル(?)同士という関係だったUbuntuを取り込んじゃったわけですから、世の中変わるものです。今のCEOになってから、なんとなくMSの動きが大きく変わった気がします。
私のようなものにとってはありがたい仕様ですね。Windowsの良さとLinuxの良さが両方使えるというのはほんとにうれしい限りです。
投稿: arkouji | 2016年8月23日 (火) 22時10分