Raspberry Pi + PX-S1UD V2.0で地デジ予約録画環境(TS抜き)
以前Raspberry Pi+KTV-FSUSB2で予約可能なTS抜き専用録画機に!記事で”KTV-FSUSB2”とRaspberry Piを組み合わせた録画環境を構築したんですが。
このKTV-FSUSB2ってやつはたった一つだけ問題があったため、結局メインPCの録画環境に頼らざるを得ません。
それは「テレビ愛知」が受信できないという問題。
ブースター買ったりして改善を試みましたが駄目でした。
てことで、もう少しましであろうと思われるチューナー”PX-S1UD V2.0”を使ってみることにしました。
Amazonで4,000円超。別途、B-CAS用カードリーダーが必要。
うちにはPT2の時に買った”SCR-3320”があるので、これを使います。
チューナー本体はこんな形。
これでカードリーダー不要ならコンパクトでいいんですけど、まあ、日本ではBカスがないと使えませんからねぇ。
この両者をRaspberry Pi B+に挿して、TS抜き録画環境を構築いたします。
ところでこのB+にはなんだかブレッドボードが横付けされてますが・・・今回のネタにはまったく関係ありません。いろいろ使ってるんです、このB+。
で、まずはRaspberry PiでPX-S1UDを使うための設定。以下のサイトを参考にしました。
Raspberry Pi録画サーバをつくる(2) – キリッとガジェット
まずは公式サイトからファームウェアをゲット。
wget http://plex-net.co.jp/plex/px-s1ud/PX-S1UD_driver_Ver.1.0.1.zip
unzip PX-S1UD_driver_Ver.1.0.1.zip
sudo cp PX-S1UD_driver_Ver.1.0.1/x64/amd64/isdbt_rio.inp /lib/firmware/
続いて、必要なソフトをインストール。まず
sudo apt-get update
をやってから
sudo apt-get install build-essential git
sudo apt-get install pcscd libpcsclite-dev libccid pcsc-tools
ちゃんとチューナー、カードリーダーが認識されているかをチェック。
pcsc_scan
「#Japanese Chijou Digital B-CAS Card」と最後の方に出てくればとりあえずOK、なようです。
続いてarib25というスクランブル解除用のコードをインストール(地デジでは不要?よくわからないのでとりあえず入れました)。
sudo apt-get install pkg-config
wget http://hg.honeyplanet.jp/pt1/archive/c44e16dbb0e2.zip
unzip c44e16dbb0e2.zip
cd pt1-c44e16dbb0e2/arib25
make
sudo make install
録画に必要な”recdvb”をインストールします。
sudo apt-get install autoconf
wget http://www13.plala.or.jp/sat/recdvb/recdvb-1.2.0.tgz
tar xvzf recdvb-1.2.0.tgz
cd recdvb-1.2.0
./autogen.sh
./configure --enable -b25
make
sudo make install
ここで録画テスト。
recdvb --b25 --strip --sid hd 23 10 test.ts
ここで”23”のところはチャンネルID、”10”は録画時間(秒)。ちなみに私のところで”23”とはテレビ愛知を示します。
上のように無事、Raspberry Piでもテレビ愛知が受信・録画できました。さすがはPLEX。
つづいて、予約録画環境の構築です。
一度は通った道ですが、どういうわけか以前構築したepgrecが使い物になりませんでした。
epgrecを構成するソフトの一つ、epgdumpを使って番組情報が取得できないんです。。。
ffmgepをセルフビルドしたりいろいろと大変だったんですが、このepgdump問題を解消できず、epgrecの導入を断念。
てことで”chinachu”というのを入れることにしました。こちらは成功しました。
実は番組情報取得に同じepgdumpを使ってるんですが・・・こちらは問題なく動作。なんで動くんだろう?
参考にしたのはこちらのサイト。
Raspberry Pi録画サーバをつくる(3) Chinachuインストール – キリッとガジェット
やり方ですが、まず必要なものをあらかじめインストールし、
sudo apt-get install build-essential curl git-core libssl-dev yasm libtool autoconf libboost-all-dev
chinachuのコードをダウンロードします。
git clone git://github.com/kanreisa/Chinachu.git /home/pi/chinachu
ディレクトリに移動し、
cd /home/pi/chinachu
インストーラを起動
./chinachu installer
すると12くらいまで数字が並んだメニューが出てきますが、ここでは1) Auto (full) を選択。
上の参考サイトではNode.jsがうまく入らなかったようですが、私がやったときは問題なくインストールが終了。
インストールが終わったら、初期設定ファイルを作ります。
cp config.sample.json config.json
vi config.json
この”config.json”の中身を編集します。
書き換えるのは「”tuners”:」と「”channels”:」の2か所のみ。
"tuners": [
{
"name" : "PX-S1UD",
"isScrambling": false,
"types" : [ "GR" ],
"command" : "recdvb --dev 0 --b25 --strip --sid <sid> <channel> - -"
}
],
"channels": [
{ "type": "GR", "channel": "20" },
{ "type": "GR", "channel": "12" },
{ "type": "GR", "channel": "13" },
{ "type": "GR", "channel": "19" },
{ "type": "GR", "channel": "21" },
{ "type": "GR", "channel": "22" },
{ "type": "GR", "channel": "23" }
]
上のチャンネルは愛知県の瀬戸タワーのものです。自分の地域のチャンネルIDはこちらでチェック。
地上デジタル放送 チャンネル一覧表 - マスプロ電工|MASPRO
外につなぐのでなければ
"wuiUsers": [
"akari:bakuhatsu"
],
の項目をごっそり消しておいてもいいでしょう。
これを残しておくと、つなぐたびにユーザーIDとパスワードをきかれます。
空のrules.jsonファイルを生成。
echo [] > rules.json
これ、予約情報が入るファイルだそうです。初期は空にしておくのがよろしいようで。
ここで動作チェック。
./chinachu service wui execute
エラーもなく立ち上がればOK。PCなどからブラウザのURL欄に
http://(Raspberry PiのIPアドレス):10772
とし、とりあえず接続できれば成功です。
が、私は中身を書き換えると、どういうわけかエラーが出てきて動きません。
エラーもどこが問題なのかを返さないため、全く原因不明。
ということで、ここの力を借りてエラーの場所を特定しました。
jsonの構文をチェックしてくれるサイト。ここにconfig.jsonの中身をごっそり張り付けて”チェック!”をクリック。
私の場合、エラーの原因は一番最後の項目の後ろに”,(カンマ)”が余分についてることでした。わかってみると、実にばかばかしいエラーですね。
動作が確認できたら、以下のように自動起動するよう設定します。
./chinachu service operator initscript > /tmp/chinachu-operator
./chinachu service wui initscript > /tmp/chinachu-wui
sudo chown root:root /tmp/chinachu-operator /tmp/chinachu-wui
sudo chmod +x /tmp/chinachu-operator /tmp/chinachu-wui
sudo mv /tmp/chinachu-operator /tmp/chinachu-wui /etc/init.d/
sudo insserv chinachu-operator
sudo insserv chinachu-wui
あとは
sudo service chinachu-operator start
sudo service chinachu-wui start
でサービスを起動。rebootでも行けます。
EPG情報を更新し、番組表を手動で作るには
/home/pi/chinachu/chinachu update -f
というコマンドを実行。
しばらくすると、番組表ができているはず・・・です。
ここでPCのブラウザからRaspberry Piにアクセスし”番組表”というのをクリックすると
キターーーーーーー!!!!
番組表ができてました。
試しに番組予約してチェックしてみます。
KTV-FSUSB2出は録画できなかったテレビ愛知の番組でトライ。
手動では録画できましたが、果たして予約録画できるのか!?
出来た!!!
完璧です。Raspberry Piでもテレビ愛知が安定して録画できる環境が構築できました。
これで、Raspberry PiでのTS抜き録画環境が完成です。
もっとも、今Raspberry Pi B+に突っ込んでるSDカードは8GBのため、もうちょっと容量の大きなやつにしないと番組録画ができません。
てことで、一度このあたりの記事を参考にバックアップして、大容量のカードに乗換える予定。
録画サーバーとして、今後活躍してくれそうですね。
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コメント
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recdvb --b25 --strip --sid hd 23 10 test.ts
では、EPG情報(EIT)が含まれないためでは?
# 実は番組情報取得に同じepgdumpを使ってるんですが・・・こちらは問題なく動作。なんで動くんだろう?
投稿: | 2016年8月22日 (月) 16時26分
./configure --enable -b25 --> ./configure --enable-b25
投稿: | 2017年6月21日 (水) 14時07分