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2014年10月 5日 (日)

最近の各キャリアLTE回線速度対決に意味なんてあるの!?

煽り気味なタイトルですが、まあ聞いてください。

iPhone 6/6 Plusが発売され、150Mbpsの高速なLTEに対応したこともあり、昨年以上に回線速度対決が盛り上がってます。

価格.com - iPhone 6 / iPhone 6 Plus徹底解剖 - 回線速度調査

Softbank最強!ドコモ苦戦!まあ、結果については何もいいません。

問題は、ほとんどの測定地点で、最低速度でも概ね下りで10Mbps以上を出してるということ。

例えば、1Mbpsで10秒かかるサイトがあったとします。

多くのサイトは、大体これくらいの容量じゃないかと思いますが、このサイトに10Mbpsでつなぐと理論上は10分の一、つまり1秒で開きます(実際には遅延時間や、プロセッサの処理でそこまでは変わりませんが)。

これなら速いと感じることができますけど、じゃあさらに10倍、100Mbpsになったらどうでしょう?

理論速度では0.1秒。数字の上では速くなってますが、果たして体感速度としては速くなってるんでしょうか?

人間の持つ時間間隔の分解能はせいぜい1秒。反射的な反応でも0.1~2秒程度と言われてます。

そんな感覚では1秒と0.1秒の差を大きく感じることできないでしょう。

最速地点でも70Mbps程度なので、昔3G回線(1Mbps程度)で10秒かかって開いたサイトは、今や遅いと言われる地点でも1~2秒、最速地点でも0.14秒ということになります。

上の話をグラフにするとこうなります。

Sokudotai01

速度表記(Mbps)では100Mbpsは10Mbpsの10倍ですが、人間の感覚(時間)に置きなおせば限りなく0に近づく反比例のグラフ

こうしてみると、1Mbpsと10Mbpsの差は大きいですが、10Mbpsと50Mbps、50Mbpsと100Mbpsの差なんてほとんどないように見えますね。

もっとも、大容量ファイルが相手ならこの速度差は体感上大きく現れます。

例えば、MS社が公開したばかりのWindows 10 TP版のISOファイルサイズは約4GB

これを1Mbps(125kB/s)で落とせば533分(8.8時間)かかりますが、これが100Mbpsとなればわずか5分ちょっとで落とせます。これはかなり大きな違い

が、ここで問題となるのは月7GBの壁(従来LTEプラン)です。

こんなペースで使ったら、7GBなんてたった9分で撃ち尽くします

ましてや、今は各キャリアとも通話し放題だけど同じ月額なら2GBしか使えないという改悪プランを勧めているため、ますます速度が速いことの意味がなくなりつつあります。

変な例えですが、今の速度対決の意味するところ、燃費のいい軽自動車よりも、最大時速500km/hだがわずか400mで燃料を使い果たすドラッグレースカーの方が快適だと言ってるようなものです。

ちょっと極端な物言いで申し訳ありませんが、要するに普通のサイトやYouTubeを見る分には5~10Mbpsあれば充分なのに、それよりも高い速度が出る事を競っているというおかしな状況になりつつある、という話です。

もっとも、このLTE速度対決不要論への反論としては、「100Mbpsもの速度が出る地点ならば、多くのユーザーが群がる混雑時でも十分な速度を出せるって事の証明じゃないの!?」というのがあろうかと思います。

まさにその通り!

だから、回線速度対決をやるならその”混雑時でも十分な速度が出せる”対決をやって欲しい

これにくわえて、移動体での安定性(電車の中のつながりやすさ など)も測って欲しいところ。

ユーザーの立場から見て、もっとも有用だと思われるデータは

(1) 同一地点で横軸:時刻、縦軸:速度 の測定データ

(2) スピードベンチマークアプリではなく、通常のブラウザ・YouTubeアプリを使った実際にユーザーが使うアプリでの測定実施

(3) 移動体で移動中の速度・エラー発生頻度の測定データ

じゃないでしょうか。

(3)については時々見かけますね。新幹線や山手線での速度比較、つながりやすさというのをよくやってます。

(2)については、キャリアがベンチマークアプリに帯域を融通しているという疑惑もあるそうなので、やはり使うアプリはSafariやChromeという普通のアプリで、サイトもそれほど有名どころじゃないところを使う方が信憑性高そうですし、実際のユーザー目線にかなった結果が得られます。

(その点、比較的マイナーで、キャリアからは明らかにノーマークなこのブログをベンチマークサイトとして使っていただければ・・・いや冗談です)

数十Mbpsもの速度が外出先で使えるというモバイル高速回線時代となり、速度そのものの意味が薄れつつある昨今、新たな指標が必要な気がいたします。

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コメント

田舎に住んでいると、規格の新しい速度の恩恵は、相当先で、次の新しい規格が出始めた頃に、やっと得られます。

そんなのより、10Mとか3M固定でいいので、規制なしに使い放題のほうがよっぽど便利。

MVNOより使い勝手が劣るのはなんとかして欲しい、と小さくボヤいてみます。

こんにちは、ちえぞーさん。

新しいプランで実質使える通信量が減らされてしまうため、新プランしか選べないドコモが一人負けしてしまいました。やっぱりユーザーにも嫌われてる料金体系なんだなあと実感しましたが、いずれどのキャリアも新プランだけになるようなので、MVNOに行くしかなさそうです。

この記事を書くきっかけになった出来事は、私の持ってるドコモ版iPhone 5c(下り実測10Mbps)と、会社の人の同じiPhone 5c(同じ場所で25Mbps)で、YouTubeや同じサイトを読み込ませる時の時間がほとんど変わらなかったことがありまして。確かに相手の方がほんのちょっと速いんですが、それこそほんのちょっと。2.6倍速いというわりに差がなかったので考えたのが上の結論です。

無意味な数字に踊らされることのないよう、消費者も賢くならないといけませんね。

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