おそらく私にとって最初のモバイル機器じゃないかというくらい古いウォークマンがあります。
1989年製のワイヤレスウォークマン”WM-505”、私が高校2年生の頃に買ったウォークマンです。
本体にもイヤホンジャックがついているため、ワイヤレスレシーバー無しでも使えます。
それまでは中学生のときの”技術”の授業で自作したヘッドフォンステレオ、次にお年玉で買ったAIWAの馬鹿でかいヘッドフォンステレオを使い続けてたんですが、ようやくドルビーノイズリダクション、重低音内蔵でポケットに入るサイズのヘッドフォンステレオを手に入れました。
それがこのウォークマンというわけです、当時確か3万円ほど。えらい奮発して買いました。
しかも世界初のワイヤレスなヘッドフォンステレオでした。いきなりローエンドからハイエンドなウォークマンにジャンプアップ。
今のBluetoothヘッドフォンにも通づるウォークマンともいえますね。
ところでこのワイヤレスウォークマンは、音はワイヤレスですが、操作はワイヤレスにあらず。本体のスイッチで操作します。あくまでも、音声だけ電波で飛んでくれるというもの。
当時はヘッドフォン性能も低くて、重低音回路なるものを搭載して無理やり低音を強調するというのが流行っていた頃でしたね。このWM-505はワイヤレスレシーバー側にDBBという重低音回路が搭載されていて、本体のイヤホンジャックで聞くときはノーマルでしか聞けないというちょっと残念な仕様。
しかも、本体とレシーバーで2つのガム型充電池が必要という、わりと贅沢な構成でして。
レシーバー側にもイヤホンジャックがついており、二人同時に聞けるというこれまた贅沢な仕様でして、本体と合わせて3人同時に聞けるため、友人とよく一緒に聞いてました。これはなかなかのメリット。
ただかばんの中に入れて聞くとよくノイズが走る、操作は結局本体、電池は2つも必要で充電が大変(レシーバー側は結構持ちますが)、おまけに重い。
その後ワイヤレスヘッドフォンステレオがほとんど出なかったのは、あまりメリットが感じられなかったからなんですよね。
そんな思い出の品のウォークマン、USB端子付きカセットプレーヤー”DN-11246”の記事に頂いたコメントを見てたら急に動かしたくなって出してみたんですが、やっぱり動きません。
ガム型充電池は死滅しているため、本体と乾電池ケース+単三電池の組み合わせですが、モーター音はすれども回る気配なし。
てことで、ばらしてみることにしました。
今までの週刊ロビ製作と、年始のiPhone 4Sの前面パネル交換修理を潜り抜けた私には怖いものはありません。ちゃっちゃとばらします。
裏面ケースをはがした結果、動かない理由があっさりと判明。
ゴムベルトが切れてます。
そりゃあ動かないわけです。
しかもこのゴムベルトの状態がまたやばい。
黒いモツァレラチーズのようにとろけてます。
こらあかん・・・ベルトをどうにか調達しないといけません。
ググって見たら、このWM-505と構造がよく似ているWM-503の修理記事を発見。
ウォークマンのベルト交換 - <(。ε゚)>
どうやら千石電商でこのゴムベルトの代替品を扱っているらしいとのこと。
で、早速注文したんですが・・・翌日に「内径φ70 0.95mmのゴムベルトは在庫がありません」との連絡が!
万事休す・・・
しかし、ゴムの輪っかだったら他にあるじゃないか?
てことで、輪ゴムを使うことに。
この短絡的な展開はこのブログならではです。
できるだけ内径の大きなものを探してきました。オーバンドの#18(約50mm)ならいけそうかと判断。
太さは1.1mmあるそうですが、どのみち伸ばすんだし、細くなるだろうということで、このまま強行。
このウォークマンのネジは細かいため、ロビ君のこの磁気皿が活躍。
最初にやったのはこの黒いモツァレラチーズ状の何かを取り払うこと。
ローター周りにはべったりついてて、ピンセットの先で削り取るように除去。指先も真っ黒です。
そしてそこに輪ゴムを取り付けます。
・・・ってさらっと書きましたが、このゴム付け作業はものすごく大変。
5箇所引っ掛けるところがあるんですが、うち4箇所への引っ掛け作業は抜けないように指で押さえながらやらないと、簡単に抜けます。両手と右脚親指を使ってはめました。
で、作動してみると、なんだかいい感じに動いてます。これはいけそう!?
で、適当にテープを入れてみて聞いてみるとなんだかめちゃくちゃ遅い。
マドンナの曲だったんですが、声が(※プライバシー保護のため音声を変えております)ってくらい低い音声に。
速度調整が必要なようです。
それにしても、一体どこにそんなつまみが・・・
その位置を、なんと電池パックが示してくれました。
この電池パックの不自然な穴の先に速度調整つまみが!
いやあ、昔からこの電池パックの穴ってなんで開いてるんだろう?と思ってたんですよね。下には何にもないのに、ぽっかり空いてる。
まさか、こういう用途の穴だったとは。
25年前の疑問が、今解消されました。
この穴がなければ、ガム型充電池がない今、速度調整をすることはかなり大変なことになってましたね。これで電池をつけて再生しながら調整できます。
マイナスドライバーを突っ込んで、調整中です。
本来は調整用の規定の周波数の入ったテープを使うところなんでしょうが、そんなものはうちにはありません。マドンナの声の記憶と耳を頼りに合わせます。
で、とりあえず復活したんですが。
なんだか音が揺れてます。
どうも、ゴムがだぶついてるような感じです。
ということで、輪ゴムを変えてみることに。
うちに一回り小さい輪ゴム オーバンドの#16があったので、これを使うことに。
また、ゴムのつけ方もねじれるとまずいらしいので、なるべくねじれないようにつけてみました。
何度かゴムを張りなおしたんですが、この一番右のところから引っ掛けると比較的うまく引っ掛けられました。
だからなんだというノウハウですが。この先役に立つことはあまりなさそうです。
途中、この細かいスイッチがぼろぼろ落ちるため、蓋を開けたときははずすようにしました。ドルビーNRスイッチと、オートリバースのモード切替スイッチです。
音揺れは相変わらず残るものの、かなりましになりました。
というか、よく聞くと中/高音域で揺れてる感じ。
B'zの稲葉浩志が低音で歌ってると揺れないけど、叫び始めると揺れるというか、そんな感じです。
また、なぜかFWD側よりREV側で再生したほうが音質がかなりましになります。
先のリンクにもありますが、”アジマス”というヘッド調整をやったほうがいいんでしょうね、きっと。
ところがアジマス調整用のネジを見つけられませんでした。
しかし、何度か速度調整したり再生したりを繰り返していると、当たりがついてきたのかREV側でならとりあえず許容範囲にぎりぎりはいったレベルとなったため、復活作業は完了しました。
てことで、あとはこのテープコレクションを堪能するばかりですね。
これは私が高校時代につくったシングル曲コレクションの一本。それにしても字が下手ですねぇ (;ω;)
”長山洋子”とありますが、この”瞳の中のファーラウェイ”は演歌ではございません。
ファイブスター物語という映画の主題歌を歌ってたんですが、このときはまだ演歌歌手ではなかったんですよね、この方。
ご本人にとっては黒歴史かもしれませんが、未だに”長山洋子”と聞くと、私はこの曲です。
B'zのMARSというショートアルバムがあったんですが、これを収めたテープも発見。
こいつを聞くと、大学受験のため上京する新幹線の中の風景が未だに目に浮かびます。
なお、大学入学後にワープロを買ったため、手書きの上から清書したものを重ねてます。
このタイトルは、まさに今の音楽業界が忘れられない90年代の一番いい時期のシングルであふれてますね。
ZYYGやZARD、WANDSがコラボした曲も収められてます。最後の”コルベッツ”というグループ、私は好きだったんですが、程なく消えましたね。残念。
ところで、この時代には私は既に別のウォークマンに乗り換えておりました。それがこの”WM-EX77”。
ワイヤレスではありませんが、リモコン式で薄型軽量な確か'92年製のモデル。
こいつも空けてみましたが、やっぱりベルト切れてました。こちらの修復はいずれまたやろうかと。
今のデバイスと比べれば、どうしようもないくらい低スペックなこのウォークマン。
最大でも100分程度の曲を入れるのが精一杯、動画再生不可、アプリなどの機能アップも不可。
でも、私の青春時代の一品なんですよね。
さて、せっかくなんでこいつを使ってデジタル化でもしてみようかと思ってます。これはまたいずれ。
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