本日10月25日は、私がEeePC 1000H-Xを買ってちょうど5年となる日です。
当時はこんな記事を書いてました。
EeePC 1000H-X届きました!!: EeePCの軌跡
いやあ、今読んでも当時のうきうきっぷりがよくわかります(笑)
2008年はこのブログを始めた年、きっかけはEeePC 4G-Xという当時としては格安のモバイルノートPC、通称”ネットブック”です。
それ以前の時代を振り返ると、小型のノートPCってのは10万円以上もする高いツールだったんですよね。
それが一気に4万円台。バッテリもそこそこ持つし、何しろ軽い。
ベンチマークをやらせたら当時売られてるPCの最低スコアをたたき出すほどの低スペック機。1、2誌を除いて多くのPC雑誌からは酷評をうけます。
が、その後出てきたAtomプロセッサにより、これを搭載したネットブック人気が加速。
”ネットブック”という呼び名も、せいぜいネットでしか使い物にならないスペックのブック型PCだからそういう名前になったんですが、そんな由来の名前でさえポジティブにとらえられるほどの人気振りでした。
そんな頃ですね、私がEeePC 1000H-Xを買ったのは。
その後1年余り、ネットブック全盛時代が続きます。
が、ご存知の通り、いまやネットブックなんてノートPCはほとんど世の中に流通していません。
今回のiPad発表会でもちょっと揶揄されてましたね。
ネットブックにとって不運だったのは、MS社をはじめ多くのメーカーが積極的にサポートしなかったことです。
Windows 7が出て、ネットブック用エディション”Starter”なんかみると、壁紙も変えられないしHDDやメモリ、画面サイズに変な制約があるし、いろいろ酷い仕様になってました。
ちょうどiPadが登場し、世の中タブレット端末やスマホがあふれ始めたこともネットブックが廃れた原因だろうとは思いますが、一方ではやはりネットブックに対する支援がなかったことも大きいと思います。
でもユーザーから見ると、ネットブックは決してなくなったわけではないんですよね。
ユーザーがネットブックに求めたものは
1、携帯しやすい大きさ、重量、バッテリ駆動時間
2、気兼ねなく使えるお手ごろ価格
3、ネット閲覧やOfficeソフトが使える程度のスペックがあればよし
だったわけです。
これって、今のタブレット端末やスマホそのものですね。
単にネットブックの役割を、タブレット端末などが受け継いだというだけです。
しかし、この5年でずいぶんと変わりましたね。
EeePC 1000H-Xは5時間持てばいいほうというバッテリ駆動時間ですが、iPadは10時間はいけます。5年前じゃ考えられない進化です。
今のタブレット・スマホをコンセントにつないで使おうという人は、バッテリ切れのときでもない限りいません。
これが世の中にもたらした影響は相当大きいと思ってます。なにせ、どこでも使えるわけですから。
それまで一般の人にとっては、ネットで調べ物するにも自宅に帰って机の上のPC端末を使う必要がありました。外出先でさっと調べ物、なんてのは高価なノートPCに高価な通信回線が必要でした。
今じゃポケットからスマホ、かばんからタブレットを取り出して使うのが普通です。
それを象徴するようなシーンがiPadのCMにありますね。
まさにどこでも使える端末というわけです。
でも、もしネットブックというものがこの世に存在せずに、これだけタブレット端末が普及することがあったでしょうか?
もしかしたら、もう少し進化のスピードが遅かったんじゃないかなぁと。
PC → タブレット とジャンプアップするにはちょっと無理があるように思えます。今でもタブレット端末に懐疑的な人は多いですが、それは使い慣れたキーボード端末がタッチパネルだけになって使いやすいとは思えないからじゃないでしょうか?
でも、PC → ネットブック → タブレット という順序で進化したからこそ、タブレット端末が受け入れられたような気がします。
iPad普及のきっかけは、まずモバイル端末が当たり前という段階を先に実現したネットブックのおかげじゃないかと。
ということで、既にEeePCもほとんど使っていない今でもブログのタイトルから”EeePC”をはずさないままに更新し続けております。
私自身、あの頃から求めるものが変化していない(安くて携帯の高いいろいろ使えるコンピュータ)と思ってます。ネットブックがiPadに変わっただけです。
そのうち、スマホやタブレット端末に変わる何かが出てくるかもしれません。でもそのときもやっぱり”安くて携帯性の高いいろいろ使えるコンピュータ”となるでしょう。やっぱりそれもネットブックの子孫となるんじゃないかなぁと。
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