Intelの最新コア”Haswell”とは
私個人としては非常に気になるIntelの新世代Coreプロセッサ”Haswell”が発売になりました。
このHaswell、読み方は”はしゅうぇる”という人と”はずうぇる”という人がいますが、どちらかというと後者っぽいです。多分。
先日の日曜日は、秋葉原でも深夜販売がにぎわったそうですね。
現在台湾で行われているComputex 2013でもASUSやAcerがHaswell搭載製品を発表してます。多分、6月に発表されるといわれる新Macシリーズにも、このHaswellが採用されること間違い無しです。
これまでのIvy Bridgeは、先代のSandy Bridgeの微細版といったところでコア設計そのものは同じらしいですが、今回のHaswellはコア自体が大幅に刷新されたコアだそうです。
同クロック比較でIvy Bridgeコアの比べて約10%の性能アップしてたり、内蔵グラフィックもパワーアップして(しかもIrisというブランド名まで与えられて)、いかにも最新コアといった性能がうたわれてます。
が、このHaswell、特にモバイル向けのコアは消費電力の低減が行われているそうです。
インテル第4世代 Core プロセッサ Haswell 解禁、電力効率向上&GPU強化 - Engadget Japanese
Ivy Bridge比で50%もの電力低減(駆動時間6h → 8~9hまでアップ)が図られ、それでいてCPU性能はアップ(Mobile Mark 2012スコアで138 → 155)しているそうな。
どうやらHaswell最大の売りはこの省電力にあるようです。
もちろん、デスクトップ版はCPUパワー重視な位置づけで提供されるようですが、おそらくIntelが特に力を入れたのは、やっぱりモバイル版なんじゃないでしょうか?
このHaswellを搭載したUltrabookの待機電力は、これまでの3Wから1/30の0.1Wまで低減されてる、なんて話もあるそうな。
どう見たって今のモバイル市場を席巻しているタブレットに対抗するため送り込まれたコアともいえます。
Intelにとって、ARM系CPUはかつてないほど強力なライバルですからね。
ついにノートPC市場にまでARM系CPUの端末(iPadやAndroidタブレットなど)が入り込んできてしまいました。
そんな事情もあって、なんとなくこのHaswellには、Intelのかつてない意気込みが感じられます。
ただ、Intelはあえて自流を崩さず、正統な進化を遂げたとも言えるかもしれません。
HaswellがARM系CPUを意識して省電力に走ったとは思えるものの、作った製品が”Ultrabook”というあたり、しっかりキーボード派の人へ配慮が伺えます。
タブレットは確かにスリムで新しい感じの端末ですが、万人にとって使いやすいとは言いがたいですからね。やっぱり、キーボード端末はまだまだ必要かと。
正直、今のCPUはちょっと性能過剰気味かなぁと感じることもあります。
果たして多くのユーザーにとって、4コアCPUなんて使いこなせるんかしらんと思うこともあります。おそらく大多数の人にとっては、今のARM系CPUマシンで事足りちゃうかもしれません。
が、やっぱり企業や多くのユーザーにとってはまだまだPCなしには出来そうにありません。私のような者でも、ある程度パワーのあるPCは必要です。
そういう人の声をIntelは見逃してはいないということなんでしょうね。Haswell見てると、そう思います。
そう考えると、MS社はちょっと踏み外しましたね。
Windowsをタッチパネルに最適化したOSにしてほしいなんて多くの人が思ってもいないのにやっちまいましたからね。
MS社は、Intelの姿勢を見習うべきかもしれません。Wintel時代を築いた両者がそれぞれ異なる方向に歩みだしてしまったというあたり、なんとも時代を感じます。
というわけで(?)、Haswellほしいですね。
久々にスピード重視のマシンが組んでみたくなってきました。
Haswellはモバイル重視なCPUだと散々書いておいておまえはスピードかよ!といわれそうですが。まあ私にとってはIntel CPUはデスクトップ向けなので・・・
もっとも、私がCPUパワーを最大限に生かせるソフトはせいぜい動画変換ソフトくらいのものですが、それでも爆速なマシンを組んでみたいと感じるのはやはり男だからでしょうか?
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>>Haswellはコア自体が大幅に刷新されたコア
Haswellは「Tack」世代ですが、マイクロアーキテクチャそのものは大きく変更されていません。細かく手を入れた改良レベルで、ご指摘の通り、省電力にフォーカスしてまとめられています。
これまでマザーボードにあった電源レギュレーターがCPUとオンダイ化されて精密に電力制御が可能になったことと、Cxステイトが強化されたこと、SoC版では更にC10まで対応し、CPUダイと共に封止されるチップセットの電力制御まで可能になっている点が省電力に効いているようです。
紹介記事に出ている数字はLGA1150のデスクトップ版ではなく、SoC版+Windows8_64ビット版にHaswell対応パッチを当てた条件での数値が多いので、注意が必要ですね。
GPUの強化については、外付けGPUを排して電力制御をGPUにまで波及させることが狙いで、早晩GPUを搭載したノートPCはゲーマー向け以外消滅するはずです。
マイクロアーキテクチャーの改良という意味では、今年後半に登場する第2世代のAtomアーキテクチャであるSilvermontの方が大規模で、最新の22nmプロセスを採用し、ピーク性能を3倍に伸ばし、消費電力は5分の1に減らしています。アウトオブオーダーパイプライン化や、Coretex-A57を見据えて64ビット化されているほか、数mWレベルの電力で動作することからモバイル向けとしては、こちらが本命となります。
一方で、「低価格向けのデスクトップPC(AiO)向けに開発しているBayTrail-D、低価格のハイブリッドPC(2in1)向けに計画しているBayTrail-Mの2つのブランド名に、PentiumとCeleronを利用する計画である」とも言っています。SoCであるAtomをローエンドPCに組み込んで売る戦略まで持っているとは何とも恐ろしいですが…。
インテルはAndroidにも注力はしていますが、自らWindows8とタッチパネルを搭載した2in1、AiO、タブレットとの組み合わせが本命だと説明しているように、決してMSの戦略と乖離するものではありません。むしろMSにとって問題なのは、各OEMが持つWindows8の価格に対する不満でしょう。
反論するわけではないですが、インテルが「ARM系CPUを意識して省電力に走った」わけではありません。全く影響がなかったとまでは言えませんが、現在の半導体技術の置かれている状況ではそうしないと熱問題が解決できないという深刻な事情(微細化が進んだ影響で、局所に熱が集中して破壊してしまう)があってのことで、電力の削減は業界全体のトレンドです。
投稿: 四式中戦車 | 2013年6月 5日 (水) 19時00分
やはり、MSはOEMへの大幅ディスカウントを決断したようです。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/20130607_602647.html
これでモバイル向けのデュアルコアとなる Haswell のU/Yプロセッサや BayTrail-T の開発と歩調を合わせて、MSとインテルが本気で共闘し始めたことがハッキリしました。
Officeバンドルが常識の日本市場では大きなインパクトを与えそうですが、それにしたってWindows+Officeが(噂レベルとはいえ)30ドルで、OS代実質タダとは大盤振る舞いですね。日本でのSurface Pro の価格にOEMメーカーが沈黙していた理由も分かった気がします。
投稿: 四式中戦車 | 2013年6月 7日 (金) 18時56分
こんにちは、四式中戦車さん。
せめてネットブックのときにこれをやっていれば、今とは違う展開になったかもしれませんね。時代を感じます。
投稿: arkouji | 2013年6月 7日 (金) 21時34分