Xeon Phiの出荷日、価格が発表
いまひとつ詳細が出てこなかった”Xeon Phi”の出荷日、および価格が発表されてました。
マイナビニュース:Intel、HPC向けコプロセッサ「Xeon Phi」の第一弾「Xeon Phi 5110P」を発表
最上位の5110Pが2650ドル(約21万円)で、1月13日に出荷開始。廉価モデルの3100は2000ドル(約16万円)以下を目指して来年上旬には発売されるとか。
5110Pでピーク性能が1.011TFLOPSというすごい性能。ちなみにこの計算速度、大体1千万円クラスの計算サーバー並みとよく言われます。それがたったの20万円そこそこのボードで実現可能とは・・・
もっとも、このボードを使うにはXeon搭載のマシンが必要で、これ単体では動作不能。
しかしこれを4枚搭載したXeonのマシンが4.4TFLOPSだそうで・・・これ、うちの会社の最近入ってきたウン千万円のマシン並なんですけど・・・
Xeon Phi最大の特徴が、GPGPUでは並列処理コードをCUDAなどの専用言語で書きなおす必要があるのに対し、Intelコアそのものなのでほぼそのままのコードを使えるという点でしょうね。
GPGPU最大の障壁であるコードの書き直しがかなり削減できそうで、これはいろいろと期待してしまいます。
個人でも買えてしまう金額なので、これを使ってまた個人で円周率世界一とかやっちゃう人が出てくるかもしれません。あるいはこれを大量に使った中華スパコンがまた世界一をとっちゃうとか・・・それはそれでいい話なんでしょうが、なんだか本来の使われ方以外のところで威力を発揮することになってもおかしくないボードです。
インテル Boxed Xeon E3-1230 3.2GHz 8M LGA1155 SandyBridge BX80623E31230 |
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「MIC(Intelが呼ぶ並列処理のアーキテクチャ)の場合には、すでにある程度並列処理が可能なプログラムのソースコードがあれば、そこにMICを使うコードを2~3追加するだけで、すぐに演算を行なえる。
Intelが示したプログラムのソースコードの例では、プログラムに並列実行の指示を追加し、Xeon Phiで演算するようにコンパイルを再度行なうだけでよいという。さらに必要に応じて、メインのXeonだけでなく、Xeon Phiを利用する指示を追加し、やはりコンパイルし直すだけでよいのだという。」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20121113_572526.html
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120906_557774.html
TDPが5110Pで225W、3100シリーズで300Wとウルトラハイエンド級のGPUカード並(PCI Expressの規定する消費電力が最大300W)の消費電力で、しかもファンレス・ヒートシンクのみのパッシブタイプなので、それを想定した冷却システムをもった筐体でないと運用は出来ず、現実問題個人で扱うのはさすがに難しいでしょうね(電力会社と専用契約を結び、バックアップ電源と空調を備えた専用ルームを持つオーディオマニアのような御大尽なら別ですが)。1500W〜2000Wクラスの高品質な電源が要求されますし、そもそもXeonのシステムだと、ソフト代込みで数百万円から始まるのはご承知の通りです。
スパコンも、インテルのXeonやAMDのOpteronが台頭していますが、IBMのPOWERや「京」に比べて連続運用に難があったり、ピーク性能は高いもののアベレージでは今ひとつという話も聞くので、亜流として富士通やNECの入り込む余地はまだ有るようにも感じているのですが、つまるところコストが壁でしょうか。以前も書きましたが、日本の場合今はとにかく数が欲しいところですね。
ちなみに、8位の中国「天河-1A」が搭載するのは Xeon X5670 6C 2.93GHzが14,336個、 NVIDIA Tesla 2050が7,168個 。ただしXeon Phiが軍事転用可能と判断されれば対中輸出規制がかかる可能性もあると思います。
投稿: passo | 2012年11月16日 (金) 19時03分
こんにちは、passoさん。
おっしゃるとおりで、消費電力やそれに見合う効果を考えると、個人で使うには相当難がありそうです。並列計算が必要なパワーユーザーなら話は別ですが、なかなかこれを生かすだけの需要のあるユーザーというのはそれほど多くないと思われます。
私の業務に使うようなコンピュータだと、これほどの計算能力が数百万円でそろうということがかなり驚異的で、ただでさえ計算機が足りない環境なので、コストパフォーマンスを圧倒的に解決してくれそうなこのXeon PhiやGPGPUに期待しております。
私の職場で使っているLS-DYNAという解析ソフトは、陰解法コードはGPGPU対応したんですけど、肝心の陽解法コードが未対応という状態です。どうもうまくいってないらしいですね。そんな事情も合って、GPGPUよりも並列コードをあまりいじらなくても済むというこのXeon Phiに期待している次第です。
なお、今主流のGPGPUのスパコンは、ピーク性能は驚異的ですが、いざ解析コードを導入するととたんにスループットがおちるという問題を抱えてるみたいです。CPUとGPUとのやり取りがボトルネックになってたり、GPUボードに搭載しているメモリ(6~8GB)が、そのボードの計算容量に見合うほど搭載されてなかったり、PCIeインターフェースの通信上限を超える速度のデータを流そうとしてつまってたりしてるようで、実際の運用にはかなり難があるようです。
そんなわけで、世界3位になったといわれる京ですが、実能力はまだまだ世界一じゃないかと思ってます。実際、具体的な成果が聞かれているのはこの京ばっかりですね。その前に世界一だったどこかのお国のスパコンの成果は・・・?
投稿: arkouji | 2012年11月16日 (金) 23時12分