小学一年生の子供でも作れて、それでいて意外性のある夏休みの自由研究ネタはないかと探して見つけてきたのはこの本。
ブックオフで買いました。
本来は中学生向けの自由研究本なのですが、立ち読みしていたら・・・
こんなものを発見。
「電磁推進船」・・・だと!?
なにそれかっこいい
ネーミングにびびっときましたが、動作原理はいわゆる「フレミング左手の法則」ってやつで説明される電磁力を利用したもの。
2枚の電極の間に磁石を入れて水溶液につけ、電極間の水溶液(塩水を使います)に発生した電流が作る電磁力と磁石によって流れができ、その生じた水流を使って進むというもの。
構造も単純なためうちの子にも作れそうで、しかもスクリューのないのに進むというのはインパクトとしては大きそう。
なんといっても名前が”電磁推進船”です。かっこよすぎ。
とりあえず、材料を買ってきて作ってみることにしました。
ほとんど百均でそろえました。
塩が入っている透明の容器は水槽として使う予定。
本には四角い磁石を使うとありますが、あいにく丸い磁石しか見つかりませんでした。
そこで、なるべく強力な”ネオジム”磁石を購入。かなり強いです。
ただこの磁石、どちらがN極、S極かがわからないため、方位磁針を使って調べます。
この面にはS極が向いているため、N極だとわかります。
油性マジックで”N”、”S”と書いておきました。
両面テープの付いたステンレス製の板を容器の底につけておきます。
端っこを曲げているのは、電線を巻きつけるため。
さて、問題は電極間に磁石を配置する方法。
試行錯誤した結果は上の写真。磁石をテープで巻きつけた木片を鉄板につけます。
磁石の力でうまく引っ付いてくれます。
ただしこの磁石、いかにも電気を流しそうな色(?)をしているので、テープでぐるぐる巻きにし、絶縁してから鉄板と密着させてあります。
最後に、鉄板にリード線を巻きつけて
電池につなぎます。
電池がぬれないように、上からフタをしました。
あとは容器に水を張って、食塩を投下。
量はかなり適当です。
なめてみて、海の水並みにしょっぱければOKと判断しました。ワイルドだろぉ!?
浮かべます。
入れると、なぜか船が横を向いてしまいます。
よくよく見ると、船底に着いた磁石のN極側が北を向いてました。つまり方位磁針になってただけのようで。
向かって手前が北側で、船体の左がN極側になっているため、上の写真の向きになると回転が止まります。
・・・で、回転が止まってからじぃぃぃぃぃっと見てると。
確かにちょっとづつ動いてます。
しゃわしゃわと泡が発生する音が聞こえます。水を電気分解してる音です。
ちょっと後ろに引いて、もう一度じぃぃぃぃぃっと見ます。
じわぁぁぁぁっと動いているようです。
とにかく遅い。
その遅さを見ていただくために、ビデオを撮影してみました。
とにかく遅いです。1cm進むのに一体何秒かかってるのやら・・・
90年代に”ヤマト1(ワン)”という超電磁推進船が研究されたそうですが、結局実用化に至らずだったのはこの遅さが原因のようで。
Wikipedia:ヤマト1
時速15kmといってますから、ぜんぜん使い物にならない速度ですね。
がんばって作ったものの、あまりの遅さに拍子抜けです。
ところで、電気分解の際に電極が溶け出してるのか、水がどんどん茶色くなってきます。
電極側も黒ずんでくるようで、あまりに色が変わった場合は表面を鑢などで磨かないといけないそうです。
とまあ、かなり手間がかかるわりにいまひとつな印象の電磁推進船。
塩水の濃度と速度との関係を調べるなど、”研究”ねたとしては面白そうですが、”工作”ねたとしてはややインパクトにかけます。
やっぱり、中学生向けの夏休み自由研究ネタですね。子供に作らせるかどうかは思案中です。
最近のコメント