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2011年4月11日 (月)

実際にガイガーカウンター自作してみた

以前書いたガイガーカウンターを自作するという記事のアクセスが多く、今の状況の深刻さを物語っています。

前の記事はタイトルに反して、自分で自作したわけではないため、実際に作ってみることにしました。

参照したサイトは、前記事でも紹介したでんじろう先生の記事 NGKサイエンス:1999年2月号/手作りセンサーで、放射線をキャッチしよう

このサイトに従い、材料を集めてみました。

Img_1590

上のサイトの通りではありませんが、使ったのはこれらの材料。

プラスチックコップ×3、ライターのガスボンベ、アルミ箔、プラスチック製の筒(底がふさがったもの、100円均一で売ってた”LEDろうそく”なるものの皮を使用)、リード線(30cm×2本)、瞬間接着剤、携帯ラジオ、ピンバイス(小さい穴開けドリル)。

これ以外にサランラップと輪ゴムも使用。アルコール消毒用のウェットティッシュに、リード線の皮をむくためのニッパーも要ります。電気を起こすものは下敷きを使いました。

まずは電気をためるものから作成(元サイトでは”電気コップ”)。

プラスチックのコップを一つ、真ん中から縦に切り、上の淵と下面をカットします。

Img_1591

これを台紙代わりに、アルミ箔の上にボールペンなどで線を書きます。

Img_1592

これを2枚分作成。

Img_1594

線に沿って、ハサミでアルミ箔を切ります。

Img_1595

こんな扇形のアルミ箔を2枚作成。

これをプラスチックコップの表からかぶせます。

Img_1596

下側に1cmほどはみ出させておきます。ここで一旦テープで固定。

Img_1598

底の部分はコップの底面にぺったりつけます。

こんな銀色コップを2個作成。

Img_1599

幅10cm、長さ20cmほどのアルミ箔を切りだし、

Img_1600

幅1cmほどに折りたたみます。

先ほどのコップを重ねて、その2つのコップの間に、これを二つ折りしたものを挟みます。

Img_1602

これで”電気コップ”は完成。これに静電気が貯まるそうです。コンデンサーみたいなものか?

続いて、検知器本体を作成。

NGKのページには”フィルムケースを利用”とありましたが、こんなご時世でフィルムケース自体がほとんどありません。

仕方がないので、代用品を探したら100円均一で”LEDろうそく”なるものが売っており、このケースが使えそう。

Img_1603

ただし、フィルムケースよりかなりでかいですが。

底面と側面にそれぞれ電極挿入用にピンバイスで1mm穴をあけました。

Img_1604

Img_1605

リード線を30cm×2本用意。

Img_1606

一本を10cmくらいむきます。中から銅線が何本か出ますが、1本を残してカット。

もう一本は先を1cmくらいむいておきます。

これらをケースにつける前に、ケース内側をアルコールで消毒。私は手の消毒用アルコールウェットティッシュがあったので、それで拭いておきました。

先に10cmむいた方をケース底面の穴から、1cmむいた方も側面の穴から通しておきます。

Img_1608

こんな感じになります。

側面から通したものは、ケースの内側に広げておきます。

(追記)

ここで紙を入れ忘れてました。円筒の内側に紙を入れて、連続放電を防ぐそうです。

また、真ん中の一本の銅線は二つ曲げにして先端をループ形状にしておくのがいいそうです。

下のShinoさんのコメントにもありますが、これで成功したそうです。参考までに。

Img_1609

穴を瞬間接着剤でふさいでおき、セロテープを張っておきます。

Img_1610

ライターのガスをこのケースの中に入れます。

ライターそのものでもよかったのですが、本当にブタンガスかどうかがわからないため、100円均一で売ってたこちらを使います。これには”ブタン”としっかり書かれてました。

Img_1611

口を押し込むとガスが出てきます。3秒ほど噴射し、すぐにサランラップでふさぎます。

Img_1613

ゴムでしばりつけ、余分な部分をカットしておきます。

これで検出器本体は完成らしいです。

Img_1614

2本のリード線を2cmほど剥き、側面から出ている方をコップの間に、底面から出てる側をコップの外側につけます。

静電気をコップの間にためるため、底面側がマイナス極となります。

Img_1618

静電気をためます。

透明な下敷きをわきに挟んで30~40回ほどこすり付け

Img_1619

アルミ箔のタブにこすり付けます。これを数回繰り返し。

Img_1620

周波数をわざと外した携帯ラジオ(つまり”シャー”と音が出ている状態)をわきに置きます。

放射線が検知器内に入ると内部で放電が起こり、このノイズをラジオでキャッチするという仕組みのようです。

ちなみにその隣にあるのは私が以前作った本物のガイガーカウンター。

しばらく置いておきましたが、本物の方が1~2回/分鳴るのに、自作ガイガーカウンターはうんともすんともいいません。

・・・これは失敗なのか、それともガスが不足してるのか、ちゃんと電気が貯まってないのか・・・

Img_1623

ためしに電気コップにこうやって触れてみたら”びしっ”ときました。どうやら帯電はしてるらしい。

Img_1617

テスト用放射線源として書かれていた”グローライト”を砕いて近づけてみました。

Img_1622

・・・が、一向になる気配なし。

Img_1621

本物のガイガーカウンターでもなりませんでした。最近のは放射線源がついてないのでしょうか。

ということで、できたのかどうかがさっぱりわからず。ちょっと強力なテスト用線源でもあればはっきりするのですが・・・なんとも煮え切らない結論です。

すごい!うちでもこんな実験ができるんだ!!―米村でんじろう先生のスーパー個人授業

(さらに追記 4/17)

制作動画まで作って解説しているところが現れました。

週刊プレNEWS:入手困難なガイガーカウンター、実は2000円で作ることができる?

”週刊プレイボーイ”だそうで。

リンク先の記事から動画を見ることができます。

が、結局できなかったようです・・・おそらく静電気不足と、いまどきのトリウムを含まないマントルを使っていることが要因かと。

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コメント

NGKの「手作りセンサーで、放射線をキャッチしよう」[5]の写真のところでセンサー本体の内側に「紙」をセットして「マイナス極」にすると書いてありますが、
arkoujiさんのブタンガス封入の写真では紙が入っていないような…。

どうなんでしょう?これが解決の糸口になるなら
私もarkoujiさんと同じ方法で「手作りガイガーカウンター」やってみたいなぁと思っています。

こんにちは、enteaさん。

・・・本当ですね、紙いれてませんよね、私。時間ができたらもう一度やってみます。

いずれにせよ、ブタンガスのガイガーカウンターって検出率が低いそうで、テスト線源がないと厳しそうです。そのためでんじろう先生もグローランプ持ち出してますね。

私も作ってみました。センサー部は家の中からやっと探し出したフィルムケースを使用しました。

最初は、やはりまったく反応せず、正直がっかりしてしまいました。
しかし、米村でんじろう先生の実験画映像を見るかぎり、かなり感度良く反応しているので、私もあきらめず文献を探したり、試したりしているうちに、やっと動作することに成功しました。
ポイントを下記いたします。

1、陰極の紙は必要です。これは連続放電を防ぐため絶縁性の高い陰極とするためのようです。

2、陽極の放電針ですが、銅線は細い方が放電しやすいようで、1本のものを二つ折りして先端にループを作る。(これは放電が先端で起きるからだそうで、米村さんの考案ということです。)

3、陽極の放電針の長さは、最初目いっぱいまで長くしていました。しかし先端放電とのことから、先端のループを筒の長さの中央までとしました。

4、静電気の集電は、エンビパイプをティッシュなどでこすってマイナスに帯電した棒をコップ内側の集電板に触れて溜めます。(外側がプラスに帯電?)

5、ブタンガスは、連続放電を止めるほうに働くようで、実際電磁波を発生するのは、空気中にある窒素ガスのようです。ですからブタンガスを入れすぎると逆効果なのかもしれません。2~5秒程度で充分のようです。

6、帯電電圧はかなり高くないと駄目なようです。私はエンビパイプを100回以上こすって集電しています。

7、テストには、ガスランタンのマントルを使用しました。(グローランプを割って中身の金属片も使用してみましたが、多少反応するようですが、かなり難しかったです。)


ポイントは、やはり帯電電圧だと思います。最初はどのくらい帯電さたら良いのかわかりませんでしたが、今はだいたいエンビパイプ100回こすりを基本にしています。
帯電電圧が十分になると、AMラジオからプツップツッと音が出てきます。(静電気を溜めているときは、放電のものすごい音がしますが・・・)
 そのままほって置いても、時折プツップツッと音が聞こえます。(自然放射線?)そこにマントルを近づけると、プツップツップツップツッ・・・・と連続音に変化します。グローの金属でも若干カウントが増えるかな~?
(ただ最近のマントルは放射線量がかなり少ないようです・・・)

まとめ、
・方電針の銅線は細い方が放電しやすい。
・先端はループ状態にして長さは筒の中央とする。
・陰極は抵抗値の高い紙にする。(筒裏側全部を覆う)
・センサー部はフィルムケース程度が良い。(径が小さければ放電しやすいが、窓が小さくなるので感度は落ちる。)
・ブタンガスの充填はほどほどに(2~5秒程度)
・帯電電圧は、かなり高め(100回こすり又はそれ以上)
・コップを持つときは、集電板を外側のコップに”バチッ”とショートとさせてから!うかっり持つと・・・・・・びっくりします。(余談)

以上が私の実験結果です。
参考になれば幸いと存じます。

こんにちは、Shinoさん。

おお、すばらしいコメントです!成功したんですね!

あきらめるのが早かったですね。私ももう少しがんばればよかったですね。

本文に追記させていただきました。ありがとうございます。

私もランタンのマントルを買いましたが、まるで無反応(まっとうな方のガイガーカウンターで確認)。最近のマントルはトリウムを含まないものがあるようです。

http://www.lazily.net/camp/stove/atommantle.html のサイトにも、私も買ったイワタニプリムス製は非放射性物質のようです。(これよりは型番が新しいもの買いました)

なかなかいい線源がないですね・・・ですがShinoさんの例で、自然放射線でも反応してるっぽいとわかっただけでもやる気が出ます。塩ビパイプはやはり要りますね。

Shinoさん!やったぁ成功したんですね
ただし、フィルムケースを使われたんですね。
私も振る無ケースを使いたいんですが
やはり、デジカメばかり使い続けてますので
arkoujiさんと同じ100円ショップの"LEDろうそく"の容器を
私も使ってみようと考えてます。

ただし、容器の大きさと、ブタンガスの量
静電気でガス爆発なんて(笑っちゃ行けないですが)
空気と混ざったら危なそう。

まあそのへんはおいといて
"電気コップ"は"ライデン瓶"の代わりを
手作りしたわけなんですね。
なあるほど!

これは、ひとつ是非とも作ってみなければ
と思っております。

ではまた

こんにちは、enuteaさん。

このコメントには感動しました。注意点やコツもかかれていて大変参考になります。

私もあきらめずにトライしてみようかと。この時期、必要としている人も多いですし。

arkouji様:
そうですか!やはり最近のマントルは放射性物質は少ないのですね!?

実は私が試したマントルは、20年ほど前にキャンプに使用していた、キャンピングガス社のガスランタン用の物が物置から出てきたんです。
この頃のマントルには、放射性物質がふんだんに使われていたのですね!
また、ネットで調べてみたら、ウランガラス(ウランビー玉)なるものが販売されているようです!

実験成功に気をよくした私としましては、次の課題として、

1、センサーを改良して信号出力ラインを増設し、電気信号を拾う。
2、100円ショップの万歩計を改造してセンサーの信号をカウントする。
3、昇圧回路を作成し、9V電池から5000Vをつくり電源とする。

以上を検討中!(検討のまま終わりそうですが・・・)
いや~作れるかどうかわかりませんが、可能性はあります。
ぜひとも過去に製作された方や、技術を有される方からのコメントがほしいですね!

こんにちは、Shinoさん。

なるほど20年前のマントルなんですね。細菌のではありませんか・・・しかしウランガラスとは気になりますね。ググってみると、ほとんど作られてないらしいですが・・・

2の応用版として、よくUSBにつなぐマイコンが売ってますが、あれをうまいこと使ってPCにデータ送信できる仕組みが作れればいいですね。かなり難易度高そうですが。

うちに”ロボザック”という30cmほどの2足歩行ロボットがあるのですが、あれに今もっている秋月製ガイガーカウンターつけてやばいところを測定しにいけるロボットでも作ろうかというネタを書いたことがあります。

今だと冗談じゃなく、それを必要とする人が多そうですね。

次の課題がうまくいったら、また教えてください。特に3の電源確保はかなり参考になりそうです。

補足です。こんなサイトがありました。

http://pyrite.jp/rwf/RI_ROOM/START.htm

ここの高圧電源を作る、というところがなにか参考になりそうです(GM管入手法も?)

エレキジャックという雑誌の小野寺泰幸さんの記事、放射線検知器を
作ってみようというところで線源として減塩(やさしおとかいう名前で市販)を使うということです、カリウムが放射線を出すとのこと。実際作って試してみたところでは何もないときの2倍くらいは反応します。(親指大にラップでくるんで前に持って行く)

こんにちは、mikさん。

おお、ありがとうございます!なるほど、カリウムが含まれてるんですね。

グローランプにランタンのマントル以外にもいろいろと線源を探しまして、カリウムを含む肥料も線源として使えるという話を聞いては買ってみたり(含有量が少なすぎて使えず・・・)、「湯の花」がいいと聞いては探してみたり(未だ見つからず・・・玉川温泉のがいいらしいですが)、ウランガラスが使えるという話を聞いて、楽天あたりで購入してみようかと考えているところでした。

ググってみると、結構安く買えそうですね、やさしお。さっそく明日探してみます。

コップがなかったので、ラップをアルミホイルで挟んで折り返したものをコンデンサーとしてと使ったため同じ条件ではないのですが、音は出ました。私の場合のポイントは、冬の乾燥した日に薄いウール100%のセーターに、直前にふくらました百均の風船をこすって、静電気を発生。一回当たりの静電気量が多い感じ。それを10回20回やればかなり音が出やすくなりました。
それで肝心の放射線測定ですが、グローランプをこわしたものには、反応しましたが、ただのとがった金属の工具にも反応してしまいます。理由は静電気の放電の電波でカウントしているため、別に放射線による電離以外の、静電気の放電で音が出てしまう為だと思います。マントルには放射線がもう入っていないようで、反応しませんでした。また、夜光塗料の時計板にも反応しませんでした。今度はやさしおを買って試そうと思います。導電性でないものでない試料でないと放射線のカウントは確証がないと思います。

こんにちは、今さらだが一応音は出た通りがかり さん。

私も後日なんとかうまくいきました。

https://arkouji.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-2b27.html

小型の容器にしたらうまくいきました(ガチャガチャのカプセルを使用)。

テスト線源はランタンのマントルを使いました。半減期が長いので今でも放射線を出して

ただ放電しすぎちゃうせいか、音がなるのは一回きりで、あまり長いこと使えるものにはできませんでした。

今はお手頃な値段で放射線検知器が売られてるので、無理に自作しなくてもいい時代になりました。

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