KEIANのKTV-FSUSB2をまたまた購入してしまいました。5,980円で入手。
すでにKTV-FSUSB2、QRS-UT100Bを1台づつ持っているというのに、何をいまさら・・・と思われるかもしれませんが・・・
現在入手可能なKTV-FSUSB2はTS抜き対策版、俗にいう「泡版」になってしまい、以前紹介した方法ではTS抜きができなくなっております。
しかし世の中すごいもので、すでに泡版でのTS抜きが実現しております。
ただし、基板上の改造が必要になり、かなり難易度が高いとの噂。これは試さずにはおられません。
「S/N K091***」となっています。まさにこのシリアルナンバーは「泡版」。狙い通りです。
本体裏のゴム足をはがし、ねじを4本取り(かなり硬いので注意!)、さらに基板を抑える2本のねじをはずすと、基板が取り出せます。
なぜ「泡版」と呼ばれているか?は、この白い樹脂の塊ゆえのようです。
この「泡版」、そのままではファームウェアの書き換えが不可能になってます。
ところが、このまさに白い樹脂の向こう側にあるピンを1本はがしてある部分を結線すると、ファームウェアの書き換えが可能になるそうです。
・・・つまり、最大の難関はこの「泡」を引っぺがすこと。
見た目はやわな樹脂の塊ですが、これがなかなか硬い。1時間以上かかって削りました。
削った後の写真はたくさん見つかりますが、削り方を詳しく書いたページがなかなかみつからなかったのでまさに手探り。ここでは、なるべく詳しく書いてみます。
用意した道具は以下のとおり。
しかし、結局使ったのは緑色の柄の100均で買ったニッパー、水色のカッターの2つだけ。
私はこんな感じやりました。まず鉛筆削りの要領で表面を削っていきます。
ICチップの上面はカッターで、側面は100均ショップで買ったニッパーでじわじわとそいでいきました。
上の写真のようになったらニッパーでは削れなくなるので、あとはひたすらカッターで鉛筆削り式に攻めます。
このとき、力をなるべく入れすぎないように。樹脂自体はやわらかいですから、欲張ってたくさん削ろうとしない限り、力を入れなくても削れます。下手に力を入れると、刃先が飛んで別のチップ、基板を傷つけかねません。
注意点を一つ。この作業をしていると、基板の横のアンテナが取れてしまいそうになるなので、セロテープなどで基板に仮固定しておくといいでしょう。
樹脂が1mm程度まで薄くなってきたら、カッターの刃先を使ってえぐるように削ります。
あまり欲を出さず、ちょっとづつけずるのがコツ。とにかく、あせりは禁物です。
この「泡」は全部削る必要はなく、上の写真の下から2番目のピン(7番ピン)を露出させられれば十分です。
ただし、この7番ピンの手前側には小さな電気抵抗があり、これが削りにくさに拍車をかけています。
7番ピンのみ、ICチップの根元まで削らないと足が基板からはがせないため、頑張って刃先で削りだします。
とにかく、もう考古学者が恐竜の骨を発掘するかのように刃先でじわじわ掘り進むしかありません。
この「泡」の頑固さが、すなわち日本のデジタル放送の後進性を示しているわけです。じっくりかみ締めつつ行きましょう。
7番ピンがほぼ露出したら、半田ごてを押し当てて、ピンの根元にピンセットを突っ込んでピンを持ち上げました。
上の写真は、その持ち上げ後の状態です。わかりにくくてすいません。
・・・面倒くさい作業がもう一つ、基板のある部分の結線をする必要があります。
上は、基板の「泡」がある面を、USB端子を左にしたときの写真です。赤い丸印で囲んだ部分を線でつなぎます。
問題は下側の小さい抵抗への結線。何せ幅は1mm以下。
線の先端に薄く半田を塗りつけた後、その線を抵抗の端子に押し付けて、半田ごてをさっとあてるとうまいことつきました。
La Fonera以来の半田ごてですが、なんとか成功です。ただし簡単に取れるので(一度取れました)力のかからないように注意。
もう一端は特にたいしたテクニックは必要ありません。線を穴に引っ掛けて、半田をちょっと流し込めばすぐにつきます。
こんな風になれば完成です。
続いてドライバのインストール、ファームウェア更新です。
上の改造方法も含めて、Windows 1000%:「KTV-FSUSB2 TS抜き![準備編]」というページを参照しました。
以下に手順を書きます。
【1】 まず、以前の記事KTV-FSUSB2でTS抜き1(TVTest編)の(1)であげたとおり、VC++ランタイムなどをそろえます。
http://tri.dw.land.to/fsusb2n/から持ってくるもので、WinUSB(x86)、Bondriverは同じですが、fwtoolは泡版用「fwtool.exe 1.1.6 2009-12-11 Download」をダウンロードしてください。
「キーワード」を聞かれますが・・・以前の記事KTV-FSUSB2でTS抜き1(TVTest編)の(2)を参照ください。
【2】 KTV-FSUSB2でTS抜き1(TVTest編)の(3)を行った後、いよいよドライバをインストールします。
以前ならWinUSBの中の「dpinst.exe」を実行して終わりでしたが・・・今回は実行前に「ktv-fsusb2.inf」の中を編集します。
上のファイルの11行目くらいにある
[MyDevice_WinUSB.NTx86]
%USB\MyDevice.DeviceDesc% =USB_Install, USB\VID_0511&PID_0029
[MyDevice_WinUSB.NTamd64]
%USB\MyDevice.DeviceDesc% =USB_Install, USB\VID_0511&PID_0029
の部分を
[MyDevice_WinUSB.NTx86]
%USB\MyDevice.DeviceDesc% =USB_Install, USB\VID_EB1A&PID_2874
[MyDevice_WinUSB.NTamd64]
%USB\MyDevice.DeviceDesc% =USB_Install, USB\VID_EB1A&PID_2874
とします。
その後「dpinst.exe」を実行。
ドライバがとりあえずインストールされます。
この段階でUSBにKTV-FSUSB2を接続します。
もうむき出しの状態でつないじゃってます・・・
先の改造がうまくいっていれば、「ヒューマン インターフェイス デバイス」として認識されます。認識されなければ・・・残念ながら改造失敗だそうです・・・
運よく、私の場合はここをクリア。
ただしこの段階でドライバは「とりあえず」入っただけなので、ちゃんと認識させる必要があります。
「コントロールパネル」-「システム」-「デバイスドライバ」を見ると、この泡版KTV-FSUSB2は「ヒューマン インターフェイス デバイス」として認識されている状態です。
そこで、この「ヒューマン インターフェイス デバイス」をダブルクリック。
その中の「ドライバ」タブを選択し、「ドライバの更新」をクリック。
上のような画面が出るので、「コンピュータを参照してドライバソフトウェアを検索します」をクリック。
上の画面で、「コンピュータ上のデバイス ドライバの一覧から選択します」をクリック。
上の画面で「ISDB-T Tuner KTV-FSUSB2」を選択。
「次へ」をクリックし、しばらくするとインストール完了。
デバイスマネージャで「サウンド、ビデオ、およびゲーム コントローラ」に「ISDB-T Tuner KTV-FSUSB2」が出てくれば成功です。
【3】 いよいよ、ファームウェアの更新です。
KTV-FSUSB2でTS抜き1(TVTest編)の時と同様、fwtool.exeを使うんですが・・・
その前にファームウェア差分ファイルを入手する必要があります。
「泡版」のKTV-FSUSB2に入っている0910版のファームウェアを、0905版に置き換えるためのものです。
入手先は、現在のところ「ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/71067」から手に入るそうですが・・・キーワードはWinUSBと同じです。
【追記】 上のリンク先からは削除されてます。新しい登録場所は、http://2sen.dip.jp/dtv/の「DTVアップローダ」の中の「up0257.zip」です。
このほか、http://bmed.bufsiz.jp/editor/binary.htmより「Quick Be」というバイナリエディタを入手する必要があります。
各々、ダウンロード後に解凍。ファームウェア差分ファイルのみWinRARが必要です。
さて、まずfwtool.exeを起動します。
上のようなデバイスが一つ出てくるので、選択して「開く」をクリック。
こんな画面が出てきたら、「File書出泡File書出」をクリック。
【追記】 訂正しました。xさん、ご指摘ありがとうございます。
オリジナルのファームウェアが保存されますが、このときファイル名を必ず「eeprom.bin」としてください。
このファイル、「fwtool.exe」と同じフォルダに移動しておいてください。
さて、続いて「Quick Be」を起動。「ファイル」-「パッチファイル実行」を選択。
「パッチファイル」には、先にダウンロードしたファームウェア差分ファイル「0910to0905.pat」を、「書き換えるファイルが存在するフォルダ」は「eeprom.bin」があるfwtoolのフォルダを選択してください。
「実行」をクリックすると、「eeprom.bin」が0905用に置き換わります。
ここでもう一度「fwtool.exe」を起動。すると先ほどは押せなかった「original書込」がクリックできるようになっています。
「original書込」をクリック。
さらにその斜め上の「Patch書込」がクリックできるようになるので、これをクリック。すると、先ほどの差分をあてたファイルがKTV-FSUSB2に転送されます。
一度「fwtool.exe」を終了し起動、上のように「PatchV2適用済」となっていれば成功。
【4】 あとはKTV-FSUSB2でTS抜き1(TVTest編)の(6)以降、およびKTV-FSUSB2でTS抜き2 (TVRock編)を実施すれば、TS抜き録画環境が構築できるはずです。
私の場合、すでにKTV-FSUSB2用のTVTestがあるので、旧版と泡版を差し替えれば難なく写るはず・・・と思っていたら、「B-CASカードが見当たりません」というようなエラーが。
よくわからんですが、結線を取り除いたら直りました。
このとおり、問題なく動作しました。
それにしても、この手の改造は苦手なので、よくまあ成功したものです。チャレンジされる方は慎重に。
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