"cpi.exe"のフルマシン実行
先日EeePC並列計算機化計画で紹介したWindowsで並列計算による円周率の計算プログラムをやっと4台で実行するができました。
ちなみにその4台は、メインマシン(Pentium Dualcore E2140 1.6GHz)、「お餅のつぶ焼き号」(Atom N330 1.6GHz)、EeePC 1000H-X(Atom N270 1.6GHz)、EeePC 4G-X(Celeron 630MHz)です。私の所有する精鋭マシン(笑)4台。
妻の家計簿用ノートPCや、PowerBook5300、Mac Plus、X1は残念ながら除外。まあきっと動かないですが(笑)
先回、4G-Xだけが接続できずというところで終わっていました。Atom330でもつながらずという状態でした。
その後なにをやったかというと、すべてのマシンで「mpi」という名前のアカウントを新規に作成(パスワードも4台とも同じものを設定)。たったそれだけです。
「mpiexec -register」で、ユーザー名、パスワードの再設定をした後に実行しました。
その様子を示した動画です。
タスクマネージャーが4つ表示されていますが、上から順にAtom330「つぶ焼き号」、メインマシン、EeePC 1000H-X(左)、EeePC 4G-X(右)。ただし、動画にするとさっぱり見えませんね。
結果は9.11秒 、ちなみにPentium Dualcore単体では同条件で約7秒(シングルCPU)ですから、相変わらず遅いです(笑)。
ちなみにメインマシン以外の3台並列では約12秒でした。これは意外と好成績!?
どいつが足を引っ張っているかといえば、明らかに4G-Xです。最後までCPU負荷が残っていました。
デュアルコア系マシン(メイン、お餅のつぶ焼き号)はCPU負荷がそれぞれ50%、25%程度にしかなりません。シングルスレッドしか動かないためですね。計算負荷をCPUに応じて分配できるといいんですが、残念ながらできません。
ちなみに1台で実行するなら、すべてのコアを使って流すことはできます。「mpiexec -localonly 2 cpi.exe」というように打てば2スレッドで実行されます。メインマシンのデュアルコアを使った計算では、約3.7秒という成績です。
さて、ここで困ったことがひとつ。
今回すべてのマシンで「mpi」というユーザーを作りましたが、その結果、今までは起動するとWindows画面になっていたのが、ログオン画面(ユーザーの選択画面)で止まってしまうようになりました。ユーザーを追加したためのようです。
すると「お餅のつぶ焼き号」はWake up on LANで起動させて、VNCで電源を切るという使い方をするため、ユーザー選択画面で止まってしまうと外からは電源を切ることができなくなってしまいます。
それを回避するために、改めて自動ログオンの設定をしました。
ググって調べてみると、XPでの自動ログオンの設定方法は
(1) 「スタート」メニューの「ファイル名を指定して実行」を選択
(2) 「control userpasswords2」と打ち込んで「OK」を押す
(3)「ユーザーアカウント」という画面が出るので、「ユーザーがこのコンピュータを使うには、ユーザー名とパスワードの入力が必要」というチェックをはずします。
(4) 「OK」をおすと、自動ログオンさせたいユーザー名、パスワードを聞かれるので入力します。
これで起動時に(4)で選んだユーザーに自動ログオンされます。
もうちょっとまともなベンチマークができるといいんですが・・・姫野ベンチなど、コンパイルに挑戦中ですが、なかなか難航しています。
並列計算をもっとまじめにやるには、せめて4台くらい同じスペックのマシンをかき集めないと面白くない(?)ですね。遅いのに引きずられてしまいます。そろそろいいPCがほしいと思う、今日この頃です。
理想を言っちゃうと、このあたりか・・・
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パソコンを計算機として考えると昔アメリカがアポロ
宇宙船 月面着陸のときに使った大型コンピュータ
よりもずっとすごい、という話はたまに見ますが、
実際に円周率を数十秒で計算できてしまうのを
見て凄いと感じました。
以前arkoujiさんが「最初にスペックありき、ではなく
何をやりたいかによって必要なスペックは決まってく
る」と書かれていましたが、まさにそうですね。
数秒で計算させたいならCore i7ですし、コーヒーを
飲んでいる間に計算できればいいやという位なら
4G-Xで十分ですし。
追伸:
Atom330機、ついに「つぶ焼き号」に略されてしまい
ましたね(笑)
投稿: sou | 2009年1月11日 (日) 07時49分
こんにちは、souさん。
おっしゃるとおりで、万人がCorei7が必要というわけではないんですね。3Dゲームをばりばりやる人には必要ですが、Excel程度のソフトが使えて、持ち運び重視ならネットブックで十分です。3Dゲームを持ち運びたいという人はCore2Duoのモバイル機しかないでしょうが。
余談ですが、今稼動中のハッブル宇宙望遠鏡内蔵のコンピュータのCPUは486SX 25MHzだそうです。処理速度より、信頼性や放熱や消費電力の問題があってPentiumをつめないようです。スペースシャトルにも80年代のコンピュータがそのまま詰まれているらしいですし、宇宙で使うコンピュータって大変みたいです。
だんだんAtom330と打つより、つぶ焼き号と打つ方が速いので、そちらに統一しつつあります(笑)
投稿: arkouji | 2009年1月11日 (日) 10時25分
こんにちは。お久しぶりです。
年賀状をふるい住所に送って届かずにそのままになっており失礼しました。
ときおりブログを見ています。
並列計算に興味があるときもあったようで
(今もそうかな)
実は私はその真っ最中です。
夢の中もOpenMPとMPIのコマンドがでてきます。
そんななかで、いろいろと知りたくなって講演会を企画しました。しかも無料です。
内容は非常に濃いです。
もし都合がつけばご参加ください。
また久しぶりにお会いしたいですね。
http://www.nmiri.city.nagoya.jp/event/h21/event210513.htm
投稿: kaji | 2009年4月22日 (水) 11時50分
こんにちは、kajiさん。
お久しぶりですね、元気していますか?
私は以前と違い、プログラムはまったくしていません。解析ソフトを使うだけで、今はプレイングマネージャーですね(笑)
この講演会、いいですね。行きたいですが、微妙な日ですね・・・
ところでこの講演会、イワタシステムサポートの岩田さんもいらっしゃるんですね。この方にはいつもお世話になっております。最近はGPGPU/CUDAにも手を広げられているんでしょうか。
すぐ近くに住んでいますので、またどこかでお会いしましょう。近況は、大体このブログを見ていただければわかるかもしれませんが。
投稿: arkouji | 2009年4月22日 (水) 20時02分