EeePCと逆の世界
小型で安価なノートパソコンであるEeePCとはまったく逆の世界にあるコンピュータとはどんなものがあるんでしょうか。たまには知見を広げる意味でもこうした逆説的な発想で見ていきましょう。
当然、逆というからには「大型」で、「高価」な、「スーパーコンピュータ」ということになります。
そのひとつの回答が「地球シミュレータ」というものになります。
・地球シミュレータセンター
http://www.es.jamstec.go.jp/index.html
名前のとおり、地球規模のものを解析する能力のある計算機です。地球温暖化の影響など、大掛かりな解析を行っています。
詳細な説明はhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BFを見ていただければわかりますが、NECのSX-5というベクトル計算機をベースに、1ノード8CPUを640ノードつないだ5120CPUの並列計算機で、2002年稼動開始、理論性能40.96TFLOPS(FLOPSとは、一秒間に何回浮動小数点計算ができるかという能力をあらわすもの)、実効速度35.86FLOPSという、その当時世界最速の計算機として華々しくデビューしました。今でも世界30位くらいの性能だそうです(2008年)。
まず金額は建設に600億円、年間の電気代が5億円、総維持費用は年間50億円というとんでもない額です。大きさは・・・具体的な数字はわかりませんでしたが、大型の図書館くらいでしょうか。ちなみに一番右側の写真が各計算ノードが並んでいるものですが、高さが2メートル。大体の大きさは理解していただけるでしょうか。真ん中がその計算ノードを上から取ったもの、左側が地球シミュレータで計算された台風です。
ちなみに地球シミュレータで計算されるのは、明日の天気といった短期的な予報ではなく、100年後に地球上の気候がどうなっているか、といったものを解析するものです。このあたりは下の本が詳しいです。
NHKスペシャル 気象大異変の書籍版です(DVDはないようです)。放送を見ましたが、100年後はえらいことになりそうです。
もっとも計算機ですので、気候変動の予測だけでなく、分子動力学や衝突解析などにも使われています。
EeePCとの共通点を挙げるなら、世の中に及ぼした影響でしょう。EeePCはノートパソコンの低価格化の流れを作りつつありますが、こちら地球シミュレータは大規模計算機の開発競争を誘発しました。今となってはそれほど早い計算機とはいえませんが(2009年3月に稼動停止、リニューアルが図られるようです)、世界に及ぼした影響は大きいです。
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