「ゼロ戦」でわかる失敗しない学
このブログの設立時の趣旨に反し、だんだん「役に立たないもの」購入記か、「変なもの」購入記になってきたようです。そのうち名前を変えるかもしれません。
さて、私はいわゆる”ゼロ戦”のことを零戦(れいせん)と読むようにしています。ゼロ戦とは戦後つけられた読み名で、少なくとも一級の資料には零戦と書かれているため、ビデオにせよ書籍にせよ”ゼロ戦”とかかれたものは買わないようにしています。
ところが唯一の例外がこの”「ゼロ戦」でわかる失敗しない学”です。出版社はなんと私の勧めているDVDを販売しているワックです。
なんとなく立ち読みして買ってしまったのですが、これが書店の歴史コーナーではなくビジネスコーナーに置かれていたのもそそられたひとつの理由です。
内容は結果論ばかりで、「○○すべきだった」「○○するほうがよかった」の文面ばかりで、それは今だから言えることだろうと突っ込みどころ満載です。しかしこの著者のすごいところは、そんな突っ込みどころ満載なのに引き込まれてしまう文章力です。
「ゼロ戦はもっと大型のエンジンを選択するべきだった」「B-25による東京初空襲はアメリカの事情を知っていれば事前に予測できた」と展開される結果論にも、今に通じる日本人の、日本社会の体質があげられています。縦割り行政、護送船団方式・・・などなど、当時の政治家を笑えない今の日本の実情に対して痛烈な批判を展開しています。
著者は以前長銀に勤めており、もうこの会社の先は長くないと飛び出したそうです。たしかにその後そのとおりになっているので、こうした結果論にも妙に納得してしまいます。
「トンデモ本の世界」を読んだ者として、これは「トンデモ本」の一種ではないかと思うのですが、それでも一読する価値のある本だと思います。
「書籍・DVD」カテゴリの記事
- 小説家になろう「第11回ネット小説大賞」一次選考に11作品が通過(2023.10.23)
- DOS/V Power Report誌が休刊へ(2023.09.29)
- ホリエモンのChatGPT本を買ってみた(2023.08.26)
- 今年も雑誌を裁断&スキャン(2023.08.13)
- 東京出張ついでに秋葉原 & 靖国神社へ行ってきました(2023.06.30)
こんにちはarkoujiさん。0戦に関しての本は読んだ事はありませんがエンジン別物を取り付けた0戦が飛び続けているDVDを過去に見ました。もう一機同じ時代のアメリカ製のライバル機名前は忘れましたが二機ランデブー飛行。真下に海や陸地が広がり永遠と飛び続けるだけのDVDでその内飽きて早送り‥最後に老人パイロットが降りて来て質問されました。名前を忘れたアメリカ製の戦闘機と0戦の違いは何か?ずいぶん前の事ではっきり覚えていないのですがたしかパイロットはこう言いました。アメリカ製はパイロットの命を優先に作られている。エンジンにダメージがなければ墜落しない。だが0戦は攻撃する事を優先してパイロットの命を度外視して作られていると言った内容でした。簡単に言えば操縦席の両脇の鉄板が重量を軽くさせる為に薄いと言った内容でした。その言葉だけが印象に残ったDVDでした。0戦の印象としては優れた戦闘機だったと言う事より最終的に特攻に使われた印象が強くDVD映像で勇ましく飛んでいるのに何故か悲しい気持ちになりました…彼らが未来の日本人に伝えたかった自己犠牲の精神はその後の日本人に伝えられたのか…体当たりその後‥砕け散らず艦上には遺体が放り出され遺体に群がるように集まった兵士達は飛行時計やマフラー他を記念品として持ち去った。その後しばらく経って百田さんの小説が発売されました。テレビや新聞をみながらこれからの若い人達は大変だな!と一人で愚痴る今日この頃です。0戦-零戦、の話からずれてすみません。日本の未来に幸あれ。
投稿: あひる兄妹! | 2014年11月12日 (水) 08時04分
こんにちは、あひる兄妹!さん。
懐かしい記事ですね、この本は既に自炊してPDF化した状態になってます。最近読み返しましたが、うなずく部分もあれば、首を傾げたくなるような部分もあり。
当時の日本には1000馬力級エンジンしかなく(アメリカは2000馬力級)、しかも艦上戦闘機ということで、空母の短い滑走距離で飛び立つために軽量化にこだわったようです。ちょうど「風立ちぬ」にもそんな話が出てますね。
現在、プレーンズ オブ フェイムという博物館が所有している零戦52型が唯一のオリジナルエンジンである栄発動機を搭載した機体のようです。ワックというところがDVDを出してましたね。
このころは人命軽視、精神主義、でも上層部は無責任主義という時代で、前線の人々ばかりが苦労する時代。でも今の日本もなんだか同じような状況になりつつあるように感じますね。
人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり、といったのは武田信玄公ですが、派遣社員の増加やブラック企業の話を聞くと、あの時代に逆戻りしている気がします。何とかしたいですね。
投稿: arkouji | 2014年11月12日 (水) 18時49分