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2011年2月 7日 (月)

”孫子ちゃんの兵法”買ったのですが・・・

”萌訳”と書いてあるので、多少期待しつつ買ったのですが。

iTunesプレビュー:〈萌訳☆〉孫子ちゃんの兵法・完全版

結論から言うと買わない方がいいです。

よく中国の兵法書「孫子」は最強の兵法書といわれてます。

確かのその通りだと思いますが、この兵法書かなり曖昧な表現が多くわかりにくい

「孫子」が書かれた時代の中国は戦国時代の真っただ中。

ある国がほかの国を攻めると、第3国が介入したり隙をついてきたりと、なかなか戦争するには大変な状況だったようで。

日本の戦国時代に似てますが、大きく違うのは広大な国土での戦争だったこと。

補給線が伸びきり、補給軽視な戦争が成り立たない、戦費が膨大となる、というのが背景としてあったようです。

それゆえ「兵(戦争)とは国の大事なり」、「(謀略・外交を使い)戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり」と説いてるわけで。

ひとたび戦争となれば、有利な状況を作り上げ、短期間で終わらせなければならないとも説いてます。

とまあ、兵法書というより、一種の思想書でもあるのですが。

とにかく「孫子」そのものは表現が曖昧で、わかりにくいところが多いのが難点。

例えば、有名な「風林火山」の旗印にもある「疾きこと風のごとし・・・」は元々孫子の中の一説ですが、よくよく見るとずいぶん変な文章です。

風のように速く、林のように静かで、侵略するときは火のように勢いよく、山のように動かず、といってるわけで。

一体動くのか止まるのかどっちなんだと突っ込みたくなる文章。

要するに、状況に応じて静動を使い分ける指揮官こそが最良の将で、その軍隊をこれほど自由自在に操らなくてはいけないということがいいたいわけなのですが。

これだけでは何のことやらさっぱりという文章です。

そこで、よく「武田信玄vs徳川家康」の「三方が原の戦い」が例として使われてます。

風林火山を旗印にする信玄らしい用兵ぶりが発揮された有名な戦いですね。

実際の戦争を例に挙げて解説されている本が多いようです。

Img_1483

私が持っている解説書も、戦争ものばかりですが。

一方で孫子に学ぶ経営戦略といったように、経営の本となっている場合もあります。

それだけ応用は効くのですが、それ自身ではわかりにくい書物、それが孫子だと思ってます。

というわけで、私はこの書籍に”わかりやすさ”に期待したのですが。

この書籍の漫画を書いた人はおそらく孫子の兵法をちゃんと理解してないんじゃないかと思うほど内容がてきとーです。

大体紹介欄に、著者の一人が「ぼくもこの本で勉強してみたいと思います」なんて小学生の作文みたいなことを書いているほど。

解説文章や、実際の戦争の例が書かれている部分はまともですが。

そのあとに出てくる4コマ漫画がかなりひどい

絵はいいのですがオチがない、または結局何が言いたい?というのが多すぎです。

兵とは国の大事なり」の有名な一説では「争いごとに慎重になろう」と言い換えて、「つまりこういうこと」と4コマ漫画に進みます。

で、その漫画の中身というのが・・・

剣道部でいじめにあった娘が、その悔しさをばねに強くなって大会で優勝して、なぜかいじめっ子たちが泣いて謝るというもの。

うーん、一体これのどこが「兵とは国の大事なり」なのか?

とまあ、大半の4コマ漫画の中身はこんな調子です。4分の1もいかないうちに飽きてしまいました。

せっかくの”萌訳”ならば、もう少し漫画の方に力を入れてほしかったですね。何も4コマ漫画である必然性がない。

ところで、”孫子”はぜひとも今の日本の会社経営者にこそ読んでいただきたいですね。

なんか、最近の日本っててきとーに物を作りすぎちゃいませんかね?

個々の技術はすごいやる気を出せばどこまでも突っ走れる人材も豊富

でも上の人間が思い付き商品を作らせるから世界に受け入れられず敗退している。

そんな感じがします。

EeePCにせよ、iPhone/iPadにせよどちらにも言えることは、本当にユーザーが必要としている製品はこれだ!とそれぞれASUS、Appleの経営者自身が会社のリソースを集中して作った製品ということです。

日本のメーカーって、なにか集中して作ってるという感じがまるでしません。

八方美人な製品を量産しているだけのような気がしてなりません。

皮肉にも、この「孫子ちゃんの兵法」が日本の実態をよく表している気がしますね・・・

最強の孫子―「戦い」の真髄

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コメント

日本の家電は多機能過ぎてムダに高いから世界では受け入れられにくいそうです。
また、日本車は特徴がなさすぎてステータスになりにくいという話も聞きますね。
結局、国民総中流という幻想を未だ背負ってしまっているという気がします。

自分たちは今までコレで上手くいったからこうするんだという考えから抜け出せないというか、他がアレで上手くいったから真似しようとかそういった感じです。
なんか、上昇志向が薄いんです。

孫子ちゃんはトップ25に載っていたので気にはなったのですが、やっぱり出来の悪い二番煎じでしたか。

孫子ちゃんの兵法は読んでませんが
風林火山は例えるならガッチャマンだと思います
「兵とは国の大事なり」の4コマ漫画も直接報復せず己が相手の力量を越すことで圧倒する(核をチラつかせ交渉的な)
でそれほどズレてない気がします

こんにちは、haseosanさん。

成功事例にすぐ食いつくのは日本のメーカーだけではないのでしょうが、なんだか失敗を恐れて無難なところに逃げてるだけにも見えます。

先のことを考えれば、バーチャルボーイ並の失敗を経験したほうがいいのかもしれません。最近そう思います。

こんにちは、kさん。

ガッチャマンもいいですね。むしろアニメに結びつけた解説本なら読みやすいかもしれませんね。

この4コマ漫画、他を圧倒するという意味より悔しさをバネに頑張ったというニュアンスで書かれてます。確かに孫子として全くずれた内容ではないですが、ここよりもっと後ろのところで出すべき例だったというだけの話です。

私もこの本読みました。

確かに4コマのほうは、文章とつながらないものがたまにあり、それが若干気になりました。

ですがまあ、孫子を題材にした真面目な著書は山のように出てますし、「萌訳」というテーマではこの程度の出来かなあ、と思いました。

この本が日本の実態を表してるとまでは、流石に思いませんでしたがね・・・・

まあそう重く受け止めず軽く読めればいい、という本なのでしょう。

こんにちは、夕張っぽい人さん。

漫画以外の部分はまあまあの出来で、難しいものをわかりやすく伝えようという意気込みは感じられるんですが、それだけにもう少し頑張って欲しかった、というのが本音です。

ゆえにこの記事、つい熱く書いてしまいました。

いっそのこと萌え萌えのアキバ系路線に行った方がよかったのですが、そういうわけでもないし、何とも中途半端なのがいけなかった気がします。

お早い返事ありがとうございます。

確かに「萌え」という意味では全体的に薄かったですね。

メインキャラクター(?)の孫子ちゃんくらいが唯一「萌え」かなあと私は思いました。

こんにちは、夕張っぽい人 さん。

せめて萌え要素が強ければそれはそれで評価したんですが・・・萌え版"于直の計"で、路地裏に作ってしまったメ◯ド喫茶をすごい作戦で流行らせた、といった展開があるとまた違った良さが出来たかなあと。

孫子ちゃんがすべての4コマで登場するというのでも一貫性があってよかったかもしれません。

孫子の兵法は、解説書ほど分かりにくいと思いますよ。
あれは、岩波文庫とか、講談社学術文庫の読み下し文と解説を何回も読み込んで、あきてきたところでテキトーな解説書を読んで、「ああ、こういう例えもありか」なんて納得するものです。
最初から解説書を読んでテキトーな例を読んでも、原文を読み込んでいなければ神髄は見えてきません。

こんにちは、Hiroさん。

孫子の兵法は正直あまり具体的ではないため、例がないと理解しづらいですね。

動かざること山の如しといいつつ、動くときははやき事火のごとく、といってますが、一体どういうときに動くのか動かないのかは書かれていません。結局、それをうまく判断するものが最後に勝つ、というわけです。

しかし実際の戦史を当てはめてみると、たしかに孫子の兵法どおりに進めた将が最後に勝利を収めていますね。とはいえ、いざ応用してみようとするとうまくいかず、なかなか難しい兵法書です。

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