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2008年10月 8日 (水)

PCクラスタ(ど派手な?並列計算機)

昨日は終日「LS-DYNA Users Week」という会合に行ってきました。

LS-DYNAとは、自動車の衝突解析などに使われる解析ソフトです。かなり重いソフトです。車一台を解析すると、Xeon、Opteronを16個、32個使っても何十時間もかかります。

そんなソフトのユーザー事例を中心に講演があるのですが、ハードウエアの各メーカーが展示をやっていました。HP、CRAY、NEC、SGIなどなど、有名どころが軒を連ねていました。

パソコンの世界では昨今Netbookによる「ダウンサイジング」が始まりましたが、こういうスーパーなコンピュータ世界でも数年前からダウンサイジングの波が来ています。

「PCクラスタ」というものの出現です。従来の1個数百~数千万円もするようなCPUではなく、PC用の安いCPUをたくさん使って計算機を作るというものです(といってもXeon/Opteronというちょっと高めのCPUですが)。

最近のPC用CPUも速くなりましたので、このほうが能力あたりの単価がかなり安くなります。

Dsc01006HPではブレードシステムと呼んでいますが、広告を見ると900万円台の大安売り中。

ここで、「ノード」とは、早い話PCのことです(ただし1台で2CPU)、また「InfiniBand」とは、Gigabit Ethernetより速いネットワークボードのことです。

つまりこの広告では「デュアルコアCPU×2プロセッサ×8ノード」とありますから、1セットで32コアあります。ちなみにノード一個は机の引き出しくらいのサイズで、写真にあるようにラックに詰め込んで使います。これを後ろでLANケーブルを使ってつないでいます。

もちろんCPUが多いほど爆速・劇速マシンになっていきますが、CPUが増えるにつれ計算効率(スケーラビリティ)がどんどん下がってきます。100人のパートのおばちゃんを1000人にすれば10倍仕事が早くなるかといったら、ちょっと無理ですよね。おばちゃん間で仕事の受け渡しが円滑でなかったり、管理者がうまく仕事を割り振れないと、遊んでしまうおばちゃんが出てきます。そんな感じです。

そこでネットワークボードを高速化したり、いい管理ソフトを作ったりして少しでもCPU数並の仕事をさせれるようにします。この辺が各社の腕の見せ所です。

そんなわけで、デュアルコアCPU16個程度でも900万円もします(1台あたり60万くらいの勘定ですね)。ただパソコンを並べているわけではないんですよね。

ちゃんと組まないとPCクラスタは本当に不安定です。こうしたメーカー製でも導入直後にはひどいものです。最近うちの会社でH○の数百CPUのシステムを導入しましたが、ほぼ毎日何かがぶっ壊れていました。まあパソコンを100台くらい売れば、ひとつくらいは壊れてきそうですし、そんなものです。一月してようやく落ち着いてきていますが。

ハードウェア側だけでなく、ソフト側でもスケーラビリティの向上のためいろいろ動いているみたいです。当のLS-DYNAも、今だと64~128CPU以上にしてもあまり計算速度が上がりませんが、将来は1024CPUでも充分計算効率を上げられるように工夫していくそうです。

ちなみにPCクラスタの世界ではLinuxが主流。Microsoftが「Windows HPC Server 2008」を売り込んでいましたが、Linuxより単価が安いこと強調していました。Netbookとは逆ですね。「なんかPCクラスタにWindowsって凄く遅そうだし、落ちそう」といってみましたが、いわくOfficeとの連携が抜群ですみたいです。Excelのマクロでも動かすのかしらん。

ダウンサイジングは世の常。そのうちパソコンもNetbookが主流になっていくと個人的には思っています。

そのうちクラスタシステムが家庭にも入ってきて、1人1台Netbookを持ち、動画処理など重たい処理が必要なときは、家族みんなのPCを使って短時間で処理。これだと高いパソコンなんていらなくなります。なによりこうしたクラスタシステムはLinuxの独壇場なので、Windowsがいらなくなっているかもしれません。

だからNetbookを一人で複数持つのは時代の先取り・・・というのを口実にもう一台くらいEee PCを購入しようかと(笑)、妻を洗脳中です。

そういえば、今週土曜日にEee PC 900-Xが発売ですね。Cドライブ用にSLCの8GB SSDがつきます。お値段は4G-Xと同じ49,800円。いい時代になりました。

ニュースを見ると、日本人でノーベル物理学賞が3人、化学賞が1人受賞されたようですね。おめでとうございます。

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パソコン系」カテゴリの記事

コメント

昨日10月8日(水)09時07分に投稿コメントしましたのは"intersect"です。名前記入忘れてしまいました。すいません。

本日の記事も勉強になりました。LS-DYNAのデモ展示を1度見たことがあるのですが、私が使用しているヘナチョコソルバとは格が違いますね。
LS-DYNAの営業マンのトーク&見せ方が非常にお上手で、ツイツイ、これさえあれば今、私が抱えている問題が全て解決するのでは? と思ってしまうくらいでした。。。

T車体さんだと私のような興味本位のヤツなんか手が出せないくらいの大掛かりな解析なんでしょうね。

>解析結果をいかにもっともらしく見せるか・・・という技術・・・

イタところ突かれてます!!
MSオフィスパワーポインタは昔は解析結果をコピッペで簡単に貼ってただけなのに、最近は解析結果に自信がないから、だんだん装飾がハデに。。。
いつのまにか、パワーポインタがそこそこ使えるようになったのは思わぬ副産物(笑)

>1人1台Netbookを持ち動画処理など重たい処理が必要なときは、家族みんなのPCを使って短時間で処理。
>これだと高いパソコンなんていらなくなります。

NECの「Lui」みたいシステムがもっと安価で手軽になって普及すればイイなぁなんて思っていたので、「クラスタシステム」イイですねぇぇ。勉強になりました。

>EeePC900-Xが発売
>CドライブにSLC8GB
>4G-Xと同じ49,800円
>いい時代になりました。

901XにCドラSLC8GB or C900Xに901Xのバッテリ駆動時間があればなぁ。。。
世間はノーベル賞以外は暗い話題が多いですが、この分野(ネットブック)は本当にイイ時代ですね。

こんにちは、intersectさん。
今日もまさにT自動車でいじめられてきたところです(笑)
LS-DYNAも使ってみると癖が多くて・・・NASTRANなどのほうがずっと素直です。
Eee PCではまだPowerPointは使ったことがありませんが、インストールしてあります。本当に解析業務をやっていると使うことが多いです。動画なんかも貼り付けると、それだけでなんかすごい資料に見えてしまう(笑)という裏技もあります。会社にはEee PCは持ち込めないので仕事では活躍の場はありませんが、プライベートで使ってみようかと思います。

車体さんや、自動織機さんは、衝突解析などはT自動車本体に任せているものだと思っていましたがお話を読むと、こりゃ大変ですね。(私は元自動車整備士ではありますが、ただの素人です。)
 パッケージングや、走行性能に関する評価も最近はT自動車本体よりも、車体さんの開発部隊の方が高いようですから、ティア1扱いをしてるエリート連中の鼻を明かすには、それ相応の投資も必要ということですか。
 管理人様もリンクを張られている、「EeePCでブログ更新」の記事の中で(いつもお世話になっております)、”Ubuntu8.04で年賀状を作ろう”という話がありました。百花繚乱のWindows用にはかなわないかもしれませんが、以前ご指摘の、Linux導入の”壁”が1つなくなったようです。

こんにちは、passoさん。
車体はかなり昔から自前で衝突解析をしています。昔はワークステーションで解析していたことがあったそうで、そのときの計算時間はなんと1~2週間!!
時々計算途中の絵を取って、「ぐしゃ」っとなったら関係者あつめて計算を止めるかどうか議論したそうな、今では考えられないくらいのんびりとした時代だったみたいですね。
アンビンバンコさんの記事、読みました。とうとう年賀状もUbuntuでかけるんですね。ゲームをやらない人ならUbuntuでも困らないかも。近々私も試して見ます。

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